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ブルー・デュール
桜 常 編

50


 藤内が帰ったあと、おれは生徒会室で球技大会の準備を日が沈むまでやらされた。
 凝った肩をほぐしながら寮に戻ったが、すれ違う生徒たちの冷たい視線を浴びて気が休まらない。
 原因はすぐ隣を歩く鳴瀬だ。
 すっかり全校にデマが浸透していて、おれは生徒会長をたらしこんだ厚顔無恥な男だと思われている。
 先輩たちの態度は容赦ない。
 聞こえよがしに悪口を囁かれて笑われ、気にしないようにと思ってもどうしても気になる。

 鳴瀬はいつまでもおれの部屋から出ていかない。
 どんなやぶ業者を呼んだらこんなに修理が長引くんだ。
 おかげでどんどんおれの立場が危うくなっていく。

 鳴瀬はおれへの悪口などまったく耳に入っていないようで、無言のまま部屋についた。
 おれが鍵を開け、先に入る。
 本当ならそのままドアを閉めて鍵をかけたい。

 靴を脱いで一歩踏み出すか踏み出さないかのところで、突然背中を蹴られた。
 おれはミニキッチン前の短い廊下に倒れこんだ。

「いてっ! なにすんだこらあ!」

 鳴瀬は素早くおれの腹の上に乗っかって、おれを冷たく見下ろしている。
 不特定多数の視線よりもこっちのほうが辛い。
 鳴瀬は黙っておれのズボンに手をかけた。
 鮮やかにベルトを取られてズボンをずり下ろされる。

「ちょっ、おいっ」

 やめさせようとしたが、この体制と鳴瀬の力の前ではどうしようもない。
 両手を頭の上でひとまとめにされ、口に人差し指と中指を突っこまれた。

「なめろよ。アイスなめてたときみたいに」

 言うとおりにしてなるものか。
 わずかに首を振ると口の中を二本の指で荒らされた。
 舌に爪を立てられると自然に唾液が出てきた。
 鳴瀬は十分濡れた指を口から出すと、背を預ける形でおれを抱き上げて組んだ足の上に乗せた。
 膝裏に腕をまわされて足を持ち上げられ、あらわになった秘部にいきなり指を突っこまれた。

「ったあっ……」

 入り口をぐいぐい広げられ、根元まで突きいれられた。
 痛いし気持ち悪いのに、内部のいいところをこすられると否応なく体が反応してしまう。
 鳴瀬はおれが黙る場所を良く知っている。

「ん、ん……うっ」

 乱暴にほぐされ、おれの自身は触られてもいないのに熱を持ち始めていた。
 指を二本に増やされ中をかき回されて、おれが熱い吐息をもらすと耳の裏で鳴瀬が笑った。

「な、で……笑うんだよっ」
「さんざん俺の邪魔をしてきた奴が、男に足開いて喜ぶ奴だったなんて笑えるなと思って」

 かっとなって振り向こうとしたら、耳を噛まれて止められた。
 顔が見えないが、鳴瀬の機嫌が悪いことは語調からうかがえる。

「喜んで、なんか、ねえっ」

 すると内部のしこりを引っかかれて、背中が弓なりにはねた。

「んあっ!」
「喜んでるだろ。突っこんでくれるなら誰でもいいのかよ。この淫乱」
「ち、ちが……っ」



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