ブルー・デュール
桜 常 編
124
「りゅう、そこのやつとって」
「どれ……?」
「枕のとなりのやつ」
体を鳴瀬に押さえつけられているので、頭だけ動かして枕の横を見ると、透明な丸いチューブが置いてあった。
泡が混ざっているところからして、中につまっているのは無色透明でゲル状の物体だ。
「俺の手に出して」
「なにこれ?」
「ローション……みたいなもの」
準備がよすぎやしないか。
まさか、おれ以外の誰かに使ったからここにあるんじゃないだろうな。
「言っとくけど、お前のために手に入れたんだからな」
おれの心を見透かしたように鳴瀬が言った。
「そ、そう」
「たっぷり出せよ」
鳴瀬が右手をずいと差し出してきた。
おれはしぶしぶチューブのふたを開け、中身を鳴瀬の手に出した。
思ったより水っぽい。
「もっと出せ」
こぼれる前に出すのをやめると催促された。
「これだけあれば十分だろ」
「だめだ、まだ足りない。お前のために言ってんだぞ?」
仕方がないので、おれの腹にこぼれるまでたくさん中身を出してやった。
鳴瀬はローションでべとべとになった手でおれの中心をなで、
会陰部に沿って滑らせ後ろの窄まりに人さし指を入れた。
ぬめりを借りて根元まで突きいれられ、久々の圧迫感に身をこわばらせた。
「んっ、あ……」
中をかき回されて、甘い痺れが駆けのぼった。
粘つく水音がして恥ずかしいことこの上ないのに、今だけはどんな恥ずかしさも興奮を煽る材料にしかならない。
鳴瀬はわざと音を立てて内部をほぐしていく。
「ああっ、んうっ、あっあ……」
中が熱くてとろけそうだ。
達したはずの自身も天井を向いて涙を流している。
「エロい顔。そんなにいい?」
「あっあっ、も、あっ! ひあっ……おかし、く、なりそっ」
体をくねらせ、首をかしげて鳴瀬に訴えた。
こんなもの、すぐにまた達してしまう。
「いいよ。俺たち以外誰もいないんだから、好きなだけおかしくなれば」
「あああっ!」
二本の指で内部のしこりを刺激され、自身が緩やかに弾けた。
白いものをたらたらと滴らせ、それでも気持ちよさは止まらない。
「だめえっ! やあっ! とまんないよお!」
自身も内部も熱くて死にそうだ。
おれは少しでも気をそらそうと、まだ握りしめていたチューブに書かれた文字を読んだ。
催淫効果注意と書いてある気がするのだが、目の錯覚だろうか。
錯覚に違いない。
そう信じたい。
「あっ」
よく読もうとすると、鳴瀬に取り上げられてしまった。
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