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ブルー・デュール
桜 常 編

123

 鳴瀬は身をかがめておれの太ももにもキスをした。
 内股をなぞられ、くすぐったかったがじっと我慢した。

 太もものきわどいところにも舌を這わされ、ときどき音を立てて吸いつかれた。
 日に焼けていない白い太ももに、赤い跡がいくつもくっきりと残った。
 それを見ると本当に鳴瀬のものになった気がして、体の奥が期待に震えた。

「なるせっ……」

 いつまでも肝心のところに触ってくれないので、痺れを切らして咎めるように呼んだ。

「なんだよ」
「そこ、もういいからっ」
「はいはい」
「ばか……ひゃあんっ!」

 いきなり半立ちの中心を口内に導かれ、はしたない声をあげてしまった。
 温かい粘膜に包まれ、一気に追いつめられてしまった。
 強く吸われて、舌でくびれをなぞられるとたまらない。

「ひゃ……あっあっ、ああっ」

 太ももを閉じようとすると前以上に開かれて、たしなめるように軽く歯を立てられた。

「あっ、やあっ! だっだめっ」

 だめと言えば、音を立ててさらに強く吸われた。
 おれがいやがることばかりして喜ぶのが鳴瀬だとわかっているのに、
それでも口にしてしまうあたりおれも大概マゾなのか。

「あ、ふあっ……ああっ」

 喉の奥までくわえこまれ、そのまま先端まで吸い上げられると、耐えがたい絶頂感が襲ってきた。

「や、だめっ、離して! ああ」

 シーツを強くつかんだ手に鳴瀬の手が重ねられた。

「あっあっ、いくっ、い……」

 大きく体を震わせて、おれは耐えきれずに達してしまった。
 そのあいだも吸われ続け、しぼりとられる感覚がとても気持ちよかった。

「ああっんっ……あっ」

 弛緩した手足をベッドに投げ出したおれを、鳴瀬は満足そうに見下ろしていた。
 これほど強い快楽を与えられたのは久方ぶりだった。
 そう言えば、鳴瀬に抱かれたのは久しぶりだ。

 達した自身を緩くしごかれ、すぐに熱がぶり返してきた。
 おれが小刻みに震えてほんの小さな声を出すと、鳴瀬が笑って言った。

「気持ちいい?」
「……ん」
「そこはにゃあだろ」
「言うかボケ」
「……そのうち言わせてやるからな」

 その目はとても真剣で、本当にそんな日が来るような気がして寒気がした。
 鳴瀬ならやりかねない。
 良くも悪くも有言実行な男だから。

 鳴瀬がこれから先も一緒にいてくれるのなら、たまには恥ずかしい要求ものんでやるか。
 そんなことを考えてしまうあたり、おれは本当にどうしようもない馬鹿だと思う。

 でも、しょうがないんだ。救いようがないほど、鳴瀬が好きだから。



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