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ブルー・デュール
桜 常 編

122

「鳴瀬っ」

 おれは思わず鳴瀬を抱き寄せていた。
 鳴瀬はさすがに面食らったようだが、すぐにとろけそうな甘い笑顔になった。

「名前、呼べよ」

 鳴瀬が言った。
 とたんに心臓が高鳴りだして、密着した肌から気づかれるのではないかとひやひやした。

「……りょう……じ?」

 蚊の鳴くような声でおずおずと呼べば、衝動を抑えきれなかったように深くキスされた。
 熱い舌で口内をかき乱され、舌を持っていかれて腫れそうなほど吸われ、
意識まで持っていかれそうになった。
 最後に下唇を甘がみされた。

「なんでそんなにかわいいんだよ。俺を殺す気か」

 その声があんまり嬉しそうなので、なんだか面白くなくて横を向いたら、
ちょうどいい位置にあった耳をかまれた。

「好きだ。りゅう」

 その一言だけでおれを殺せることを、鳴瀬は知らないのだ。

 鳴瀬は枕元にあったリモコンを操作し、部屋の明かりを落とした。
 スポットライト式の照明が切り替わり、紫色のごく淡い明かりになった。
 暗くなると一気に淫媚な空気になった。

「ん……」

 鳴瀬はおれの顔じゅうにキスの雨を降らせ、首、胸とじょじょに下がっていった。
 あちこち余すところなく唇を這わされ、猫耳なんてつけているせいか、マーキングされている気分だった。

「あっ……んんっ」

 胸の突起を舌で転がされ、片方は指でつままれてから押しつぶされた。
 雰囲気のせいかもしれないが、いつもの倍くらい感じる。

「あ、あ……」
「気持ちいい?」
「るせ……喋んな……」
「いいならいいって言え」

 唾液に濡れて敏感になった突起に、鳴瀬の息が当たるだけでも体の芯が熱くなった。

「……いい、よ」
「もっとしてほしい?」

 おれは体の力を抜き、目を閉じた。

「……うん」

 言うやいなや、下着もするりと脱がされた。
 鳴瀬はおれの膝裏に手を入れ、両足を持ち上げて大きく広げた。
 恥ずかしいところを見つめられて全身が熱くなる。

「見るなよっ!」
「見るだけじゃいやか」
「見られるのがいやなんだよ」
「そうかな?」

 鳴瀬は手の平でおれの腹をなで、ゆっくりと下へ降りていった。
 焦らすような手の動きをつい目で追ってしまう。

「ちょっと反応してるけど。見られて感じたんだ?」
「ちがっ」
「じゃあ胸か」
「それもちがっ……」



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あきゅろす。
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