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サビイロ契約

68

 浩誠は怪訝そうに珂月を見下ろしていたが、不意に低い声で言った。

「……お前、ルザを排除しようって気がないのか?」
「いや……」

 珂月は怒られた子供のように下を向いた。
 浩誠は珂月の両肩をつかみ、強引に視線を合わせた。
 珂月の少し驚いたような目と、浩誠の真剣な目がかち合った。

「珂月、俺が守ってやるから、俺にしとけよ」
「え?」

 きょとんとする珂月に、浩誠は口づけた。
 優しいキスだったが唐突で、珂月は思わず浩誠の胸を押した。
 浩誠はひどく傷ついた顔をしていた。

「なっ、浩兄!? なにするんだよ!」
「俺にしとけ」
「急になに……」
「俺はずっとお前のことを想ってた!」

 せっぱ詰まった表情で言われ、珂月はびくりと肩を揺らした。
 いったん浩誠の目を見てしまうと、もうそらすことができなかった。
 浩誠はいつになく真摯な様子だった。
 とてもではないが冗談を言っているようには見えない。

「珂月」

 気がつくと珂月は床に寝ていて、浩誠を見上げていた。
 浩誠は珂月にまたがり、破かれた服に手をかけた。

「浩兄!」

 珂月が浩誠の手をつかもうとすると、逆に指を絡めて手を握られ、床に押しつけられた。
 浩誠は辛そうに顔をゆがめながらも、目だけは珂月を捕らえて離さなかった。

「俺じゃ嫌か?」
「そっ、そういうんじゃなくて、こんなことしたらまずいよ!」

 数十分前に男たちに組み伏せられたときのような嫌悪感こそないが、猛烈な罪悪感と焦りが珂月を襲った。
 浩誠は手つきこそ優しいが、有無を言わせない強引さで珂月の体をなでていく。
 珂月は起きあがろうと躍起になった。

「浩兄! 浩兄ってば! まずいって、おれに無闇に触ったらルザにばれちゃうよ!」
「構うものか」
「かまうよ! ばれたら浩兄殺されちゃうんだよ!」

 すると浩誠はぴたりと動きを止めた。
 だが珂月を解放しようとはしなかった。

「ああ、そうだろうな」

 浩誠は虚無的に笑った。

「お前はルザのものなんだよな。だから、すべて持って行かれる前に、一度でいいから……」

 浩誠はそれ以上珂月がものを言えないように、口で口をふさいだ。
 珂月はどうしていいやらわからなかった。
 ただやめてとかだめだとか言うばかりで、浩誠相手では暴力に及ぶこともできず、されるがままになっていった。

 浩誠は珂月の服を手際よく脱がし、首から順々に愛撫していった。
 壊れ物を扱うかのように優しく、それでいてきわどいところを触れていくので、次第に珂月も息が上がっていく。
 胸の突起をこねられ、舌先で転がされ、同時に下肢にも手を伸ばされて思わず珂月は声をあげた。

「あっ……! あ、やあ……」

 それに気をよくしたのか、浩誠はどんどんエスカレートしていった。
 立ち上がりかけていた珂月のものを手の中に包みこみ、ゆっくりと上下に動かしていく。
 ルザにすっかり慣らされた珂月の体は、じれったい浩誠の愛撫にすっかりとろけ、はしたなく涙を流して喜んだ。

 くちゅくちゅと水音がしだすと珂月は恥ずかしくてたまらなくなり、喘ぎ声をもらしながら浩誠の首にしがみついて感じている顔を見られまいとした。
 そんな仕草が浩誠を煽り、浩誠は手の動きを早めた。

「ああっあ、んんっ、ひあっ……」

 珂月は切なげに眉根を寄せて体をこわばらせた。

「あっあっ、だめっ浩兄、離して……!」
「いきそう?」

 珂月ははっはっと犬のように短く息を吐きながら頷いた。
 浩誠はくすりと笑い、珂月の耳元で囁いた。

「いけよ」
「いやっあ……ああっ!」

 珂月はびくんと体を震わせて白濁を散らした。
 そのあいだも浩誠はゆっくりと珂月のものをしごき、珂月は何度も体を痙攣させて甘い刺激に耐えた。

 浩誠は珂月の出したものをまとった手を後ろのすぼまりに伸ばした。
 珂月は息をのんだが、浩誠はよどみない手つきで中に指を突き入れた。
 珂月がたまらず下唇をかむと、見とがめた浩誠に唇をふさがれてそれとなく口を開かされた。
 口内と秘部を蹂躙され、珂月はひっきりなしに喘いだ。

「ん、はあ、んんっ……」

 浩誠は珂月の中を二本の指でかきまわし、わずかにふくれた場所をかすめると珂月が高い声をあげたので、そこを指で挟んで小刻みに揺らした。


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