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サビイロ契約

110

「ほら……指が増えるぞ」

 斎珪は一気に三本指を突き入れた。
 珂月は大きく嬌声をあげ、背筋を弓なりにしならせた。
 痛みはほとんどなく、快楽の波が珂月を襲う。

「ひゃあっ! あうぅっ、あ……ああっ」

 指を中でばらばらに動かされ、感じる部分をこすられて珂月は白濁混じりのものを先端から溢れさせた。

 斎珪は指を抜き、待ちきれない様子で珂月の両膝を肩に抱えると、猛ったものを珂月の秘部に突き刺した。

「んああぁっ!」
「はあ……よくしめつけてくるな」

 斎珪は口元に笑みをはりつけ、珂月の腰を抱いて揺さぶった。
 珂月は斎珪の突き上げに合わせて切なげに啼いた。
 斎珪は乱暴に腰を打ちつけ、本能むき出しの雄の顔で珂月の首筋をなめまわした。

「あっああっ……やあっ……」
「俺のをよく覚えておけ……これからこれで毎日かわいがってやるからな……」

 斎珪は珂月の体を横向きにさせ、右足を高く持ちあげて再び突き上げた。
 角度が変わり、珂月は布団をぎゅっと握りしめてあえいだ。
 斎珪の動きはさらに激しくなり、抜けそうなほど引いてから強く最奥に打ちこむ動きに変わっていった。

「あっ! んあっ!」

 結合部がいやらしく水音を立てる。
 感じきった顔の珂月の口端から唾液が垂れた。

「ふっ、どうだっ? 誰に、仕込まれてたんだか、知らないが、俺のほうがいいだろうっ?」

 斎珪はとぎれとぎれに話しかけた。
 しかし思考の溶けた珂月はろくに理解できなかった。

「そのうち俺のがないといられなくしてやる……嬉しいだろ? 俺のものになれるんだからなっ……」
「あぁ……ひっ、あん、んっ!」

 斎珪はラストスパートとばかりに激しく中をこすりあげた。
 珂月はあえぎ声と悲鳴の狭間のような声を上げ、強すぎる快楽に耐えた。

 最初に珂月が達し、白濁を散らした。
 達した反動で内部がしめつけられ、斎珪も珂月の中で精をぶちまけた。

「あうう……はあっ」

 斎珪は自身を抜くと肩で息をする珂月を仰向けにさせ、軽く口づけた。

「中だけでイくとはな……かわいい体してるじゃないか」

 珂月はもうろうとしながら斎珪を見上げた。
 斎珪はとても村の者には見せられないような凶悪な顔をしていた。
 自分はこの男に本当に捕らわれてしまったのだと、わかりたくない現実が珂月の前に突きつけられる。

 珂月はそのまま目を閉じた。


   ◆


 翌日、珂月は夢の中で戸の鍵が開く音を聞いた。
 斎珪に抱かれたせいで体が重く、部屋に誰かが入ってきたのに頭が覚醒しない。

 荒い息が眠る珂月の顔に吹きかけられた。
 布団がめくられ、急に訪れた寒さに珂月の意識が浮上していく。

「はあ、はあ」

 服の裾から冷たい手が這い上がってきて、ようやく珂月は目を覚ました。

「……えっ?」

 珂月はなぜこのようなことになっているのか理解できず、口をぽかんと開けた。
 珂月の上には斎珪の従者が乗っかっていて、欲情しきった目で珂月の肌をさすっている。

 一気に鳥肌が立ち、珂月は男の腕をつかんだ。

「やめろ変態っ!」
「なんだあ、今さら純情ぶるなよ」

 男はやにさがった笑みを浮かべ、珂月の手を簡単にひとまとめにして頭上に縫いとめてしまった。

「昨晩は斎珪さまにかわいがってもらってたくせに……おめのいい声が、聞こえてたぞ」

 珂月は顔が熱くなるのを感じた。
 男は珂月の反応に気をよくしたようだった。

「へへ……おめは本当にかわいい声を出すよな。俺、おめの声聞きながら抜いた。今斎珪さまはお出かけなさってっからよお。今度は俺がおめを抱いてやるよ」

 男は興奮しきった様子で、珂月の服をまくりあげて胸元に顔をうずめた。
 珂月は天井を見上げながら、こんな生活が続くのかと絶望した。
 好きでもない連中に四六時中もてあそばれるなんて、とても耐えられない。

 そのとき、遠くから誰かの悲鳴が聞こえてきた。
 男はぴたりと動きを止めた。
 珂月はさっと窓を見上げ、耳をそばだてた。
 恐らく村からのものだろう。

「なんだ?」

 男が困惑したように言った。


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あきゅろす。
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