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色々小説
前世or現世

※前書き

・ギアスでNGライフパロ
・スザク総受け
・性転換キャラ有り
・名前変換有り
(例.カレン=蓮)














最も大切で

最も憎くて

最も…

愛していた人。


こんなこと願っていいのか分からないけど、願わずには居られない。


ねぇルルーシュ、もし僕らに来世が在るのならば今度は…



約束だよ…



僕はずっと、君を忘れない。


喩え生まれ変わっても…






「朱雀っ、すーざぁくっておい!!」

「ん、る、るぅしゅ」

「この馬鹿またそれかっ!!
いい加減こっち見やがれってんだ!」

ガツンッと言う衝撃音が頭に響いて、僕は目を覚ました。

頭がズキズキと痛む。
少し顔を上げて見て見ると幼馴染みの紅月蓮が拳を握って僕を見下げていた。

「あ、カレンおはよう」

まだぼやける目には、彼の姿は彼女と見分けがつかなかった。

「まぁーだ寝ぼけてんのか!
俺の名前は蓮だ!!」

そう怒鳴る蓮に僕は唇をつのらせた。


「だって君の前世の名前だもん」


「はいはいはい!
分かってるさ!
俺は前世は女で、なのに変なロボットに乗ってお前の敵だったんだろ?!」

蓮はもう耳に蛸だと言ってやはり怒鳴る。

彼と前世の彼女とを間違えてしまうのには、性格が余り変わっていないからだと僕は思う。

前世の彼女、紅月カレンは女性だったけど随分気性が荒く男らしい子だったので、今の蓮と余り変わらないのだ。

他にも現世で教師の人が前世では上司だったり、前世では主だった子がクラスメイトだったり。
僕の周りには前世で関わっていた人達が沢山いる…

なのに皆、前世の記憶は無いと言う…


僕にだけ残っている前世の記憶…
理由は分かっている。

約束があるからだ。


今度こそ彼と共にあると言う約束…

でも、彼は現れない。




scene1
現世、前世





「お前っ、またそんな格好で寝てたのか?!」

布団から出た僕に蓮が悲鳴の様な声で叫んだ。

そんな格好…
と言われても、僕は上Tシャツ下はパンツの唯の寝間着姿なのだが…

そう思っていたのが顔に出ていたのか、蓮は顔に青筋を浮かべた。


「前世がどうだっただろうがなぁ、お前は今、列記とした女なんだよぉっ!!」

蓮の今日一番の怒鳴り声が我が家に響き渡った。


蓮が言うとおり、実は僕は女だ。

あ、いや、実も何も無く普通に女で、今日から花の女子高生。

でも、前世の記憶がある僕は、どうしても女としての自覚が持てないでいる。

それでいつも蓮に叱られるのだ。


「分かったよ。
着替えるよ」

僕はTシャツに手を掛ける。

「うわっ、馬鹿脱ぐな」

蓮が真っ赤になって僕を止める。

「なんだよ蓮がこの格好駄目だって言ったんじゃ無いか」

「俺はお前の中で女でも男なの!
俺部屋から出て待ってるからそれから着替えろ」

そう言ってバタバタと部屋を出て行った。


……そう言う男女の話しをする割に、人の寝室によく勝手に入って来るんだよなぁ〜

そう思い頭を傾げて僕は新しい制服に腕を通した。


部屋を出るとドアの直ぐ側で蓮が壁に寄り掛かって待っていた。

「ふーん」

僕が出て来たのに気付いた蓮は頭のてっぺんから足の爪先までジロジロ見て来た。

「な、何?」

前世では僕の方が高かった背も、現世では蓮の方が高くて、上から見下ろされると違和感を感じる。

「あっ、嫌…
……制服が…」

「あれ?
何処か変かな?」

僕は自分に着いているリボンの位置を確認する。
…曲がってはいない。

「嫌、違う
……似合ってる。
可愛い」

蓮はちょっと照れくさそうに、だが笑ってそう行った。

そんな蓮に僕も微笑む。

「ありがとう蓮。
君もとっても格好いいよ!!
中学生の頃は学ランで格好良かったけど、ブレザーだと大人っぽく見えて素敵だね」

「そうか、サンキュ!
ほら、あんま遅くなるとあのピンク娘が五月蠅いぜ!」

そう言って蓮は鞄を持つ。

「えっ、もうそんな時間?!
う〜僕の朝ご飯〜」

そう言いながら、優妃(ゆうひ)を待たせちゃいけないので僕も鞄を持ち、二人で家を出た。

ちなみに蓮の家はお隣りで、僕の部屋と蓮の部屋は向かい合わせになっている。

二階にある部屋なのだが、僕らは簡単に窓から飛び越えてお互いの部屋を行き来している。


家を出て、五分位真っ直ぐ歩いて行くと小さな公園がある。

そこで僕らはある女の子と待ち合わせして学校に向かうことになっている。

ある女の子と言うのも前世での関係者だ。


「もう来てるかな優妃」

「さあな、アイツもお前に劣らずお転婆だからな〜」

公園が見えて来る。

そこには自分と同じ制服が見えた。

「あっ、居たみたい」

「ちっ」

僕が手を振るとこちらに走って来る。

物凄い速さだ。

「すぅーざくぅーっ!
おはようございます!!」

「お、おはよう優妃」
前世とかわらない桃色の髪がふわりと舞い、そのまま抱き締められる。

ちなみにこの優妃(ゆうひ)は前世で僕の元主、皇女様だった女の子だ。

彼女も覚えて無いが…

「おい、何時までもベタベタしてんじゃねぇよ」

蓮が僕を引っ張る。

「あら蓮こそ私の朱雀を放しなさい。
イヤらしい手で朱雀を触るなんてセクハラです!!」

優妃はより強く僕を抱き締めた。
うう、ちょっと苦しいかも。


「はぁっ?!
てめーの方がよっぽどセクハラじゃねぇか!
てか何時から朱雀はお前なんかのものになったんだ」

「あら知りませんでしたの?
ずっと昔からです」

二人の口論はまだ続くのだろうか?


「ねえ二人共?
始業式始まっちゃうよ、急ごう」

このままだとまずいと思った僕は二人を止めに入った。

「わかりました。
朱雀がそう言うなら仕方がありませんね」

「本当だもう8:25じゃねぇかちょっとやばいぜ」


僕らは走って学校まで走って行った。





前世と現世に共通する大切な人たち


彼らは前世の記憶は無いけれど


それでも前世と変わらない雰囲気を持っている。

一面を持っている。


それを垣間見る時、僕は凄く嬉しくなる。


こうして僕は、前世の記憶を持って生きています。


この現世で、彼と出会うために…


約束を果たすために…



僕はまだ知らない。

近い運命の中で、彼と出会うことを…

そして、人生における大きな荒波が起こることを…


まだ僕は知らない。







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