月の綺麗な夜に。@ 夜の静寂に、ダンダンとボールが弾む音が響く。 誰も居ない公園で、コロネロは一人バスケットボールを操っていた。 別に彼はバスケ部でも何でもないのだが、体を動かす事は好きだし、そして今日はなんとなくバスケな気分だったのだ。 タンタタタン コロネロの手によってリズムよく跳ねたボールは、美しい弧を描いて吸い込まれるようにゴールへ。 シュッと小気味良い音を鳴らして、ボールがネットを揺らした。 シュートのために頭上に伸ばした腕を下ろして、汗で額に張り付いた髪をかき上げる。 そのわずかな間に、ゴール下でトーントーンと跳ねていたボールが、石にぶつかりコロコロと道路側へと転がって行ってしまった。 「めんどくせーな、コラ。」 チッと舌打ちと共に吐き捨てて、緩慢な動作でボールを追ったコロネロは、視線をボールの進行方向へ向けたと同時に、ぴたりとその歩みを止めた。 「ん?」 コンビニから家に帰る途中、綱吉は左足にコツンと軽く衝撃が走ったので、小首を傾げて足元に目を向けた。 「バスケットボール?」 何でこんな所に…とボールを拾い上げ、再びコテンと小首を傾げる。 ボールが転がって来たと思われる方向をゆっくり目で辿って………こちらを見つめる金髪の少年と、視線が絡んだ。 → , |