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落下、及び衝突事故。A
 

コロネロが不機嫌な理由は、昨夜会った少年が去り際に残した、たった一言。


『また明日』


彼は確にそう言ったのに、結局今日彼とコロネロが言葉を交す事も、視線を絡ませる事も、それどころか顔を合わせる事さえ無かった。


コロネロは知らず、期待していたのだ。


月の光を浴びて、儚いまでに淡く輝いて見えた少年は、太陽の光の下ではどのような顔を見せてくれるのだろう、と。


心持ち沈んで、コロネロは階段の手摺に手をかけた。


体操服を教室に取りに行って、ついでに誰も居ないであろう教室で着替を済ませ、バスケして頭冷やそう。


頭に浮かぶ少年の顔をそんな考えで抑え付けながら、ひたひたと階段を登り始めた。


階段の踊り場を太陽が照らして、まだ鋭さの残る太陽の光が直にコロネロの顔を照らすものだから自然と顔をしかめる。


コロネロが半分まで登った所で、上の階からドタバタと誰かが物凄い勢いで階段を駆け降りてきた。


階段の手摺を掴み軸にして、遠心力を利用し、ぐりんっと勢いをつけて階段の折り返しを曲がって現れたのは……。


「ツナっ!?」


コロネロからは逆光で顔は見えないけれど、陽に照らされてキラキラと輝く髪は、今の今迄考えていた少年のモノだったので即座にその名を口にする事が出来たのだ。







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あきゅろす。
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