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姫と騎士
09


「何か、あったのですか?」


「結婚を認めたくなくてだだをこねているのだよ」


「お兄さま!」


「結婚…ですか」


カイは一瞬だけ驚愕したように目を見開いたけれど、すぐにいつも通りの無表情に戻った。


昔はもっと表情が豊かだったのに、カイの笑顔を私は何年見ていないのかしら。


…それに私の結婚話を聞いても、そんな薄い反応しかしてくれない。


私はなんだかひどくがっかりした。


「………決めたわ」


「は?」


「どうしたマリア」


「お兄さま、一緒に王の間へ行っていただけますか?…カイ、あなたもよ」















王の間に着き入室の許可をもらいお兄さまとカイを引き連れて中に入ると、お父さまと騎士団長、宰相がいまだに3人で何やら話込んでいた。


私たちに気づいてまず一番最初に反応をしたのは騎士団長。


「カイ!?なぜおまえがここにいる」


「姫さまのご命令で」


「…姫さま、騎士の者を私用で連れ回すのはやめていただきたい」


「お父さまにお話があるの。カイも関係するから着いてきてもらったのよ。何か問題でも?」


「問題だらけです」


はぁ、とため息とともに返ってきた言葉は無視することにする。


私がこの国にいれる残された時間はあとわずか。


私の最後のわがままを…


お願い事を絶対に聞き入れてもらう。

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あきゅろす。
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