name? 「長い髪〜」 「あ”?」 ギロッと睨むと周りの奴らはびくっと怯えたりするが、只一人…俺の髪をいじりながら嬉しそうに笑う能天気野郎は逃げなかった。 「なにいじってるんだへなちょこ」 「へなちょこ言うなよ。俺はディーノって名前あるんだぜ?お前物覚え悪いな」 「…おい能天気野郎」 「あっ!?おまっ…ムカついたからってそれはないだろっ!」 しょうがないだろうがぁぁ…ムカついたんだからよ。物覚え悪いって。 悪かったらお前の事わかんねって。 名前も、顔も覚えないだろうが。 相変わらずの馬鹿がっ。 「スクアーロ…」 「なんだぁ」 「…お前元気?」 「元気に決まってるだろうが」 「ふーん…そっか…」 スクアーロの髪をディーノがくるくる絡ませる。 「それなら良かったぜ」 「…」 俺の髪から手を離し、ディーノがにっと笑う。 丁度よく風が吹く。 …コイツ笑うヤツだったんだなぁ…。 昔は怯えて俺を見たりしたのに… 変わったなぁ… 「じゃあ俺は時間だからまたな!スクアーロ!」 「…おぅ…またなハネウマ!」 「ディーノだって言ってるんだろ?スクアーロ!!」 歩いていたディーノが振り返っていった。 そしてまた歩き始める。 お前は気付いてないだろうが名前の呼び方変わったんだぞ? へなちょこからハネウマへ。 その意味は… 「さて、俺はボスさんのところに戻るか」 報告に… “またな…” 「…」 歩きだして振り返る。 もうディーノの姿はない。 「…またな…ディーノ」 そう言ってまた歩き始めた。 END |