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Rainbow
7

まだ赤い頬を隠すように俯いて書類を捲る細い指。
その姿に緩む頬はあまり人に見せられるもんじゃない。
とはいえ、いつまでも眺めているわけにもいかないので作業を再開した。




10分ほど過ぎて顔を上げたら、ディスプレイと書類を行ったり来たりしている真剣な横顔があった。
周りの様子には全く気が付かない。
集中しているのがわかる。
「見つめすぎ〜」
パサリ、と紙を置かれた音。
視線を動かしたらにやけた顔の秦野。
「…なんだ」
「チェックしてくださいな」
「………」
書類の中身は先日行った定例会議の議事録。
つらつらと眺めて秦野へ返す。
「問題なし?」
「なし」
かくん、と首を傾げる姿は確かに可愛いと絶賛されるもの。
…俺には効果無いけどな。
「ねー、杉内」
書類で口元を隠して潜められた声。
まだ何かあるのか。
怪訝に思ったら、付いてくるようにとのジェスチャー。
珍しいことだから、素直に従った。




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あきゅろす。
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