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Rainbow
5
ピアスが3つ刺さる右の耳朶。
「紗季」
そこに息を吹き掛けるように囁くと、細い肩が跳ねた。
「あっ!」
その拍子にキーボードを叩いてしまったようで不必要な文字が入力される。
「もーっ!」
真っ赤な顔で睨むから、自然と口角が上がっていく。
「休憩だ」
まっすぐに瞳を見つめると逸らされる。
うろうろとさ迷うグリーンの瞳にいじめてやりたくなるが、まあ…そこは抑えて。
「こい」
肘を掴んで立ち上がり、ソファへ連行。
ぶつぶつ文句を言っているのは無視。
「紗季ちゃんはココアね〜」
秦野に渡されたマグカップに頬を緩めてソファへ座ったのを確認して隣へ腰を降ろす。
ソファの背凭れに肘をついてふわふわとした髪に指を絡めた。
「なんですかぁ」
ちらり、と俺を見る瞳。
そこに戸惑うような色を見つけて思わず笑った。
「ほら〜、杉内が紗季ちゃん溺愛なのはわかったからさ!ちょっとは自重してよー」
周りが困るでしょ!と言う秦野は無視。
「かい、ちょ…ぁの…っ」
マグカップを握る指が白くなる。
「………」
羞恥と緊張が伝播するみたいだ。
細い指からマグカップを取り上げて腕を引いて立ち上がらせる。
それから、そのまま…


──仮眠室へ連行した。




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