Rainbow
2
遠目から。
壇上から。
意識しなくてもチラチラと視界に入る姿。
今は食堂で親衛隊と親睦会を開いている。
にこにこと食事をする姿。
「かーわいいよね〜」
隣に座って覗き込んできた顔を押し遣ると文句を言ってきた幼馴染みの秦野夕紀。
とりあえず全面無視。
「でもさ、ひとまず安心でしょ？」
「なにが」
「この間のランキング、最終集計はまだだけど」
にぃ、と笑う顔はこの学園の人間が絶賛する可愛らしさの欠片もない。
「相澤くん圧倒的みたいだし？生徒会に入っちゃえば目の届くところに置けるし、ねー」
「……お前のその顔、全校生徒に曝してやりてぇな」
「杉内ね、そんなこと言ってると協力してあげないよ？」
「いらねぇよ」
「うわっ！かわいくなーい！！」
文句を言う秦野は放置で視界の端に相澤を入れる。
受け取った小さな包みを開けて喜ぶ姿はずいぶんと幼く見える。
あんな風に喜ばれたら、渡した方もきっと嬉しいだろう。
…自分には真似できないな。
「冗談は置いといて、生徒会に入れば風紀も安心するだろうね」
「まあな」
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