ぷよ7ネタまつり
小シェゾ×大アミティ
確か彼女は女神の生まれ変わりだったと言ったか。帽子の使い方がわかっているのかどうかは知らないが、少なくとも内包している魔力のそれが跳ね上がっているのは読み取れた。

だが、シェゾはそれよりも気になっていることがあった。スラリと伸びた足が覗く、普段ハーフパンツ型の私服を好んでいる彼女がふわりと裾の広がったスカートをはいていた。

どこかの女好きの魔王のちびが自分と同じ目の高さでなくて良かったなと思いながらシェゾは小さくなった体で一言。

「ぱんつみえるぞ」

(本人は親切心のつもりだったらしい)





「おおおお兄さんどこみてんのっ」

顔をまっかにしたアミティが慌てながらスカートの裾を押さえる。シェゾはぼんやりとその姿を見送りながら視線をそらした。

(しまった)

また余計なことを言ったと気づいたのはなんとも遅い。

そもそも今回は別に何が抜けたわけでもなく、またあの呼び方を覚悟したシェゾだったが、しかし良いのか悪いのか見た目の役得というのは此処でもしっかり働いたのだった。

「もう、おませさんなんだから」
「は?」

降ってきたのは予想外の言葉。同時にシェゾの体が宙に浮く。
ひょいと、軽く持ち上げられたシェゾがアミティの腕の中に納められる。
いきなりのだっこにシェゾの思考が停止した。

「これでパンツ覗けないね!!」
「へ?は?ちょ、おにょせ!!」
「わぁー、お兄さんほんとにラ行言えないの?」
「い、え、っる、わ!!!!」

一言区切り叫んではじたばたと腕の中で暴れる子供に、アミティがもう一度顔を綻ばせた。よしよしと頭を撫でると思いついたように頭の帽子をとって被せてやる。
あからさまな子供扱いと、不意に触れることのできた本物の赤ぷよ帽にシェゾが反応しきれずに押し黙る。
アミティは笑った。

「よしよし」
「……じゃ、ねえだろ」
「えー、だってなんか新鮮ー」

ぎゅうと抱きしめてから落ちないように抱き直す。
いつも見上げているだけのお兄さんが小さくなって腕の中にいるのがとても可愛らしかったのだ。
シェゾはシェゾで、普段自分の周りをわりと楽しそうに跳ね回っている少女が吹かせるお姉さん風に、対応しきれずにいた。

「…なんかいつもよりテンションたかくないか?」
「え?そうかな?」
「……まぁもともとおまえは、たかいか」

シェゾの言葉にアミティが困ったように笑う。それでもどうにも嬉しそうな反応に、シェゾが小さくため息をついた。
するとアミティもそれに気づいたか、抱き上げたシェゾの赤ぷよ帽に顔をうずめて小さく話す。

「……あたしね、」
「あぁ?」
「大きくなったらアコール先生みたいになりたいの」
「……まどうしとしてか?」
「それもそうだけど、学校の先生になりたいんだ」

その言葉にシェゾが目を細める。将来の夢。なんとも、懐かしい響きだ。シェゾが子供のころ、ちょうどアミティたちくらいの歳のとき、彼が無くしたもの。

「だからなんか、こうやってお兄さんあやしてるの嬉しくて」
「……こもりか?」
「え?だめかな?」

そう、嬉しそうに話す彼女のそれを否定することは、シェゾにはできなかった。

「……すきにしとけ、つきあってやんよ」

シェゾは腕の中で遠くの地面を見つめた。
女神の生まれ変わりだとかいわれた彼女の夢が、彼女の夢は、どうかせめて汚されることがないようにと、ガラにも無くシェゾは思ったのだった。

(神を汚すのは自分のくせに)

「…お兄さん?」
「なんでもない。じゃ、どうすればいい?おかあさんとでもよんでやろうか?」
「お、おかあさん!?って、お兄さんとの子供!?」
「っちがうだぉがこのかんちがいむすめ!!」





(ねぇどうかわらっていられるそのうちは)
‐‐‐‐‐‐‐‐
シェアミ可愛いよシェアミと思ったのになんかシリアス路線になってしまったのだよ。
アミティは絶対シェゾのこと好きだって!!ミーハー的な意味で。


という主張です。シェアミシェ。

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