ぷよ7ネタまつり
大クルーク×大ラフィーナ
結い上げ、纏めた髪の毛に乱れがないことを確認し、スカーフを正すと軽く身体を慣らすように、ラフィーナは体を伸ばした。
なかなか不思議な感覚だ。いつもより長い手足、体が軽く感じるのは体力が強化されているからか。
要するに成長、だという。大人の自分、将来の姿。
ラフィーナは顔を上げて目の前の男を見る。
「ということは、将来クルークはあなたに身体を乗っ取られるということかしら?」
単純な興味だった。別にあの生意気な眼鏡がどうなろうと知ったことではないのだが、ただこれが成長した姿なのだとしたら、それはなんとも可哀想な話ではないか。
すると目の前のクルークの形をしたそいつは、以前見たのより幾分か丸くなった雰囲気で答えた。
「別にそういうわけではない、この姿はあくまで、現状における個人の肉体の能力を最大限に引き出した場合の姿を模しているものだろう」
「…?意味がわかりませんわ」
「要領の問題だ。クルーク本体の成長姿よりも我が出た方が能力が高い。へんしんなどといえ単に過去だ未来だの姿と言うわけではない」
「そういうもんですの?」
「現に我の片割れを見てみろ。彼奴の左手が我に共鳴をはじめたのは最近だったろう」
「…あぁ…らしいですわね、けどそれにしたら小さいシグの左手、赤かったように思いますけど」
「そういうことだ」
ふぅん。ラフィーナは相槌をうちながら頬にかかった髪を弄る。よくはわからないが、まぁ将来クルークがこの魔物に乗っ取られる、とか、そういうものではないようだ。
成長した、身体能力のあがった姿と言っても、それが未来の姿だとか言うわけではないらしい。
……どうでもいいことだが。
まぁクルークが将来どうなろうとてラフィーナには関係ないし、成長したクルークより魔物に乗っ取られた方が強いとは、どのみち可哀想な話である。
鼻で息を吐いて視線を降ろす。つまらなそうな仕草をしたラフィーナにクルークの姿をしたそいつはくつりと笑った。
「だから案ずるな。お前の友人は友人のままだよ」
その言葉に意外そうな表情をラフィーナが向けた。妙なフォローを入れてくる、別に自分はこの眼鏡がどうなろうと知ったことでは。
「はぁ?わたくしはべつに」
その表情を読んだのか気にしていないのか、それは瞳を細めるとその指でラフィーナの前髪を掬う。
格闘をメインとしているラフィーナと違って魔導師らしいその指は、細く綺麗であると同時に、骨ばって確かに男のそれだった。
「クルー…ク?」
「その髪型」
「は?」
言って笑った表情は、確かに生意気なあの同級生だった。かかった前髪から覗く瞳、は、あの腹がたつ眼鏡のもの、なのに。
「似合ってるよ、ラフィーナ」
見た目も声も間違いなくあの男だ。あの生意気な眼鏡が、まさか雰囲気がちがうだけでまさかこんなに。どうして何がこんなに。
「っ、舐めんじゃねぇですわ!!」
ラフィーナは一瞬よぎった思考を振り払うようにクルークに平手を差し出した。
だがそれは当たらずに彼の影に絡みとられた。
「気に入らないか?」
「あなたに誉められても馬鹿にされてるとしか思えませんの!!」
「くっ、嫌われたものだ」
言いながら何故かクルークは楽しそうに笑う。どこか彼の本の中の紫の影が慌てていたようだがラフィーナは気にせずそのまま踵を返し走り出した。
なんだ、あれは、クルークのくせになんなのだ。あんな、あんな。
ラフィーナは走りながら腕をあげて髪をひとつまみ。
アップにしたその髪型の留め具を引き抜いた。ばさりと落ちた髪を靡かせてラフィーナは走り続けた。
なんだなんだなんなのだ。あの自分の自慢しかしないような口だけクルークのくせに!!
何で顔が熱いのだ!!
残された魔物はくつくつと笑ってひとり、何かを話していた。
「まぁ?感触はそれなりか?」
(それなりじゃないだろ!!言えなんて頼んでない!!)
「せっかくだから言っておけ。思ったのはお前だろう?しかし髪型を褒めるとはなかなかどうして」
(うううるさいな!!)
「まぁあの手は、自分より強い男じゃないと認めないタイプだと思うが?」
(だからそんなんじゃないって…!!)
「まぁせいぜいがんばれよ?」
(…………っ!!)
‐‐‐‐‐‐‐‐
くさい!!www
ラフィ←クル+あやさま。実はクルラフィが好きです。あやラフィじゃないんだよあくまでもクルラフィだよ。
あとでかでクルークの将来あやさま乗っ取られ説がありますが、私はへんしんって単純にそういうことじゃない…と…思うんですよね。
成長しないはずのシェゾが成長してるし、シグがのんびりになって左手がヘンになったのは確か「最近」のはずだし。
けどクルークの意識じゃないってやっぱりなんか可哀想だからその辺踏まえて補完妄想してみた。
ラフィーナの髪型誉めてくれるといい。
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