ぷよ7ネタまつり
大サタン×大シェゾ
不幸の猫は現実を忘れさせてくれるならばなんでもよかったのだと囁いた。この世界が夢であることを知っているのかと問いたら、さぁな、と、だけ。
夢?現実だろう、嘘は突き通せば真実だ。夢もまた同じ、目覚めなければ現実だと。

どのみち、と、彼は緩やかに瞳を閉じて、否、閉じるギリギリまで引き下げてこう言ったのだ。

「……懐かしいな」

彼の言ったその言葉、私は微笑みながらこの世界を呪った。

「そうだな」





本来、成人した魔導師は外見的成長をなさない。魔族もまたしかり。だから彗星の魔導師なんかも、成長とは魔力の質の変化のみで外見的な変化はほとんど無い、魔王に至っては変化したのかすら怪しいのだ。
だからそれを見たとき、サタンの背筋に戦慄が走った。

わずかだが確かに伸びた髪、近くなった視線は身長の変化を表している。渇いた声は確かに遠く聞き忘れた低温を響かせていた。

本来ならば成長する筈がない。外見など尚更。
だが。



「………サタン」

そいつは己の手を見下ろしてくつりと笑った。上げた視線は違わずに此方を捉えてくる。
あげた視線に闇の色。無言の圧力。狂気が闇に病み、驚喜。

くらり。

「……どうした」

その様に目眩がした。
駄目だ、その眼で私を見るなと叫びそうになるのを寸でで堪えた。
駄目なのだ、その眼は、その姿は。本能が疼く。やつの闇色の空気は私の根底に疼く憎悪を、とら、え。

「魔王様?」
「……だまれ」
「…っ!!」

挑発を込めた声。その眼で私を見るなと叫び出すのは寸でで堪えた。目の前の奴の首を絞めることによって。

「…ぁ、がっ…」
ぎちり、鳴った首が跳ねた。

嗚呼まったくなんて馬鹿な男なのだろう。あのまま愚者を演じ続けていればよかったのに、この閉じられた世界でただ幸せを夢見ていれば良かったのに。

(絞めれば跳ねる身体、口から漏れた透明な液体が我が手をなぞるのが心底心地よく)

世界に愛されずに散った愛しい者たちの亡骸を拾い集めて形にしたとき、平和と幸せと怠慢に順応出来るように削いでヤった貴様の闇をまた取り戻してしまうなんて。

これは奴の成長した姿ではない。むしろ現行の奴の姿が退化なのだ。闇の魔導師として世界を敵に回したシェゾ・ウィグィィが、今の世界に順応しやすいように組み直した道化。それの昔の姿。

世界に嫌われ、闇を纏い、全ての魔のつくモノを喰らい惑わせてきた最期の闇。

おかげでほら、せっかく忘れていた私の―――――



「……さ、たん」



びくん。
名前を呼ばれて力が緩んだ。反射的に手を引く。
――なにを?私は今何を?

緩んだ拍子に落ちたそれが咳と共に地面を汚している。けほ、と、一度だけ渇いた音を出してから荒い呼吸で此方をみあげ。

「………懐かしいな」

その瞳は闇色の中に確かに、幾ばくかの、絶望と哀しみと。
優しさを含んでいた。

(嗚呼そうか、貴様も、わかっているのだな)

「………そうだな」







(私は世界が好きなのではない。貴様達を愛しているのだ)



‐‐‐‐‐‐‐‐
(進めないふたりはすなわち理解者で共犯者で傷の抉りあい)


サタンもレムレスも顔はあんまり変わってないのにでかシェゾが明らかに成長しているのはつまり身長は184センチだったりする真・魔導的なあれそれなんじゃないかと思ったらすげぇ萌えたのに伝えたいことどっかいった。

でかシェゾがえろすぎてシリアスエログロネタしか思いつかない件←


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あきゅろす。
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