ぷよ7ネタまつり
まぐろ×りんご
かつん、かつんと教室に、乾いた音が定期的に流れていた。
窓の外では雀が鳴いているが、教室は閑古鳥が鳴いている。

物理部、またの名をなんでも部といったものの、実のところこの部ではやることなどほとんどないのが現状だったりする。

ちょっと前まで部室を間借りしていたあの騒がしい先輩は、今は校庭で愛の実験中だし。

だから今この部室で動いて音を立てているのは、まぐろの手の中のけんだまだけ。




「ときに、ささきまぐろくん」




不意に聞こえた声にまぐろが顔をあげた。
手は止めない。別に手元をみなくとも落とさず玉を一周させられるくらいには、動作に手慣れてしまっていた。

まぐろの視線がきたことに、声の主、りんごは一つ咳払い。

「物体というものは常に下に力がかかっていることを知っているかな?」

彼女の言葉にまぐろが一瞬考えるように首をかしげてから、にやりと笑った。

「重力だね」
「そう、ものが落ちる時には必ず9.8の重力がかかる」
「何が言いたいんだい、りんごちゃん」
「つまり君のもっているそのけん玉の玉にも、落ちるたびにそれだけの力が加わっているわけだ」

言いながら彼女は手に持っていたりんごを投げた。
彼女のりんごは弧を描くように空に上がり、落ちる。
当然のことである。

「今りんごちゃんが投げたそれにも同じ力がかかったわけだ」
「そう、全ては共通、必然なのです」

りんごがそこまで言うと、今度はまぐろが一瞬鼻を鳴らし、やや大げさに笑って見せた。

「必然の法則だね」
「正解、さすがはささきまぐろくん」

と。そこまで言ってふたりがぴたりと言葉を止める。
もう一度まぐろのけんだまの音だけが部室に響いて、そして。










「…なんか物理学者ごっこも飽きたねぇ」
「そうだネ、今度は何かべつのことする?」
「あれは?アルルとか見習って魔導師ごっこ」
「おぉ、りんごちゃんは運命論を信じるわけだね」
「運命っていうか、成り行き?」
「…かな」

特別することがない昼下がりの物理部でした。

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まぐりんのキャラがよくわからない件。なんかくっだらないことを意味もなくやっていそうなイメージがあったんです。中学生らしいというか。
けどまぐりんは3SAの中で一番仲がいいイメージですよね。ツーカーカー。



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