ぷよ7ネタまつり
小サタン×小シェゾ
シェゾは小さくなった身体で剣を握り締めて下唇を噛み締めてにらみあげた。ただでさえ彼を見下ろせたことはない、だが、今はそれ以上に、いつも以上に上から降りてくる視線にどうしても納得がいかなかった。

「ん?どうした?」

いつもよりはるかに若い魔王の声が聞こえる。普段の自分よりははるかに若い。だが、今の自分よりははるかに年上。そんな活発な声が多少の余裕を含みつつ自分にかけられる。
納得がいかなかった。

(なんでお前のちびはそんなに中途半端なんだよ…!!)

おかしいじゃないか!誰もが幼児になっているのに何故こいつだけ少年なのだ!!別にこいつの幼児の姿なんぞに興味はないが、能力だの体格的なものを踏まえるとどう考えてもコレは不公平である。

だがシェゾは何も言わない、何も言えない。ただ黙って唇をかんで魔界の王子をにらみあげるだけなのだ。

何も言わない。何も言えない。

…そう、言えないのだ。いまのシェゾにとって口を開くことは憚られた。今、口を開いたらダメだ、絶対ダメだ。
それだけは分かるから敢えて何も言わないが、それでもなにやら小ばかにしたような視線は容赦なくシェゾのプライドに突き刺さる。

「ぐっ…」
「ん?私のフレッシュな凛々しさに見とれたか?」
「なにが…!!」

何が凛々しさだたわけ、と言おうとしてもう一度口を紡ぐ。再び押し黙ったシェゾにサタンが軽く首を傾けて一瞬だけ訝しがる。いつもはうるさいくらいに吠えてくるのにずいぶんと静かなのはどうしてか。思ってから瞳を細めると、軽く笑った。

「はははっ、さてはびびってんだろ?」

そうして敢えて馬鹿にするように見た目相応の言葉遣いをしてやる。
シェゾはこのぐらいの年齢に舐められるのを嫌うはずだ。すれば案の定、目の前の闇色をした少年が、一瞬で瞳に怒りを灯し、ほえた。

「なっ、だえが、い、にってぇら!!」




そして、固まる。




……そう、言えないのだ。

精神に肉体がついてきていないとはまさにこのことでで、舌の発達が十分ではないこの身体では、言いたいことが殆ど、言えないのだ。
だから言いたくなかったのだ、喋ったら必ずボロが出る。普段できること、当たり前のことができない、そのもどかしさと悔しさと、何より。

やってしまったと血の気が引いた表情でシェゾが恐る恐る上を見上げると、その言葉を聞いたサタンが目を丸くして此方を見下ろしていた。

そして、徐々に肩が震え、手を口にあて、目を細め、て。

「…おっ、まっ…言えない、のか…っ」

びくんっ。
言われたくない言葉にシェゾの肩が震えた。
のを、きっかけにサタンの表情が、それはそれは楽しそうなものに変化した。

「あっはははははははは!!そうか!!回らないのか!!舌が!!」
「う、うゆせー!!だぁれ!!ばかにすんな!」
「あははははははそうかそうか、かーわいいなぁあああおまえ!だっこしてやろう!!」
「ぎゃー!!くゆな!はなっはなせ、おにょれぇええ!!!」
「あはははははははは!!よちよちいい子いい子してあげましょーねー」
「むきーぃいぃぃぃぃ!!!」

ぐりぐりとサタンにほっぺたをつねられながらシェゾがほえる。

だから言いたくなかったのだ、喋ったら必ずボロが出る。普段できること、当たり前のことができない、言えない、そのもどかしさと悔しさと、何より。

こうやって馬鹿にされるのが目に見えていた。

それは、最大の、屈辱である。





(よちよちかわいいかわいい)
(おぼえてろぉおおおおお!!)
−−−−−−−−
舌足らずのシェゾが可愛すぎた。
若いサタンが可愛すぎた。
そういう子育て的な、幼児っつか弟を可愛がる的なサタシェをみたいですね!!

はぁはぁ!!

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