5/1〜洒落シェ
アタシと〜っても、気になってることがあるのよね。

視界を横切ったソレを反射的に呼び止めちゃうくらい。

「ちょっとあなた!!」
「……俺か?」
「あなた以外に誰がいるのよ!!」

そう、ゆっくりと振り返った銀髪の服は薄汚れた黒。そうよね基本暗いのよこの人。これが私の気になってる人なんだケド。

「まぁただっさい真っ黒い服着て!!少しはカラフルにしたらどうなの!!」
「俺の勝手だ」
「あらやだ何その態度」

人が親切に言ってあげてるのに、社交辞令くらい持ちなさいよ。

思いながら頭の上から爪先までをチェックする。

大体彼は毎日黒だかモノトーンの服ばっかりで、そりゃ銀に黒は合うんだけどせめてもっと気品のある服にすればいいのよせっかく綺麗な銀の髪と蒼い眼の組み合わせを持ってるのに勿体無いアタシならもっと素材の雰囲気を生かして儚げに演出して魅せるのに頭のバンダナだって髪の美を強調ああああもう我慢できない!!!!

「ちょっと来なさい!!」
「は…?て、おい、マント引っ張んな」
「おだまり!!ここで脱がされたいの!!」

他の人と違って元が良い分勿体無いのよ!!放置なんてしておけるもんですか!!今すぐ私がコーディネしてあげるんだから感謝しなさいよ!!

店の看板を準備中に回したアタシは張り切って、黒い塊を店の中に放り込んだ。





[back][next]
[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!