小説 オレと赤子。 (※本編前) 真っ暗闇の中。 見つけたのはステキ過ぎるほど意外なモノでした。 え、ちょ、ナニコレ、どゆ事? すいません、錯乱しまくっているオレです。 猫みたいな鳴き声が気になって探してみれば、なんとなんと、この暗闇の中、ポツンと赤ん坊が居ました(寧ろ捨て子?)。 赤ん坊をゆっくり抱き上げ、あやしてみる。 フニャフニャの、生まれたての赤ん坊だ。 長期休暇の度、親戚のお子様達の面倒を見ているオレにとっては、赤ん坊の世話なんざ、楽勝です。 じっくり赤ん坊を観察。 ………なんか、どっか見覚えあんだけど………? はて………? フワフワの産毛は朱金色。 ………。 ま さ か。 レプリカルークかぁぁあ!? 目ぇ開いてないけど、多分そう。 この子、レプリカルークだ。 デコ鶏さんは血に近い色の髪の毛だもの。流石鮮血。 え、毒? 当たり前です。 『アビス』のPM嫌いだし。 つか常識持たんバカは嫌いなのですよ。 ふと引っ掛かる。 まさか腐女子の夢、異世界トリップっスか? ………あり得ねえ………。 ある意味ラッキーだけど!! そして更に色々気付く。 なんで赤毛か、オレ………! 赤、にも濃度によって色んな呼称があるんだが。 なんてーか、色図鑑で見たストロベリー色なのだ。 キムラスカ王家の貴色持ちかよ!? 突っ込んでくれる人が誰も居ないので、セルフ突っ込み。 次に、レプリカルークが赤ん坊だという事。 ………可笑しい。 確かゲームでは10歳前後だったような? あれか? 刷り込みやってないから、精神的には赤ん坊だって事か? だとすると………被験者との摩り替え直後か? うぅ、厄介事だと解っているんだが、いたいけな赤ん坊を放り出す訳にはいかん! ………。 決めた。 オレがこの子を、レプリカルークを育てよう。 「………『ルー』。『光輝く者』って意味だよ。お前に相応しいだろ?」 実はケルト神話の太陽神の名前なんだぜ。 神様って別名持つのが数多く居たりするんだよなー、これが。 腕の中で、ふにゃふにゃと泣いていた赤ん坊は、何時の間にかスヤスヤと眠っていた。 ………精神年齢的に、『母親』なんだろうな、オレ。 ルーがちゃんと育ってくれりゃ万事OKな気がする。 その後、元凶に出会うのだが。 愚痴るオレは悪くない、と思う。 '12.09.16 [*前へ][次へ#] |