小説
Talking about love exchanges can the mouth.(バカテス:康明)150人目、自爆
これはただの口実。
大好きな君に触れる為の、口実。
明久と康太は、授業をサボって屋上に居た。
小春日和で暖かい。思わず寝てしまいそうになる。
キュルルル〜
可愛らしい音が康太の耳に届き、発生源をそっと見やる。
予想通り、明久がヘタっていた。
「………お腹空いた〜」
やっぱり、と溜め息を吐いて、何か無かったかとポケットを探る。
「(………あ)………明久」
「なぁに〜」
「………いる?」
「…ポッキー? なんで持ってるの?」
「………ポッキーの日」
コンビニに行った時、イベント期間で珍しく値下げしていたチョコ菓子。
それを見た時、ふと明久の顔が浮かんだ。
彼がいつもいつも空腹を訴えているから、足しになればと購入し、ポケットに入れていたのだ。
「………いる?」
「いるっ!!」
目を輝かせて箱を取った明久に、康太はくすり、と笑った。
ところが。状況が一変する。
「こぉた はい♪」
「………えっと?」
「ポッキーゲーム。しよ?」
明久はポッキーを一本くわえて、康太へにじり寄る。
まさかこんな展開になるとは思っていなかった康太は固まった。
「………やるの?」
「(ニッコリ)」
明久の笑顔を見て、康太は頭をフル回転させる。
出した結果は。
―――ぱくり。
モグモグと食べ進める康太に、驚き慌てた明久を尻目に。
―――チュ。
キスをした。
そのまま深くなっていく。
「ん、ふ………っ、こ、た」
「………ん?」
「苦し、けど、甘い、ね」
「………チョコの味」
「も、ポッキー、食べて、ない、よ?」
息も荒く、真っ赤になりながら告げる明久に、康太はまたポッキーを取り出して、
じゃあ、もう一度。
と強請る。
明久はボンッと更に赤くなり、金魚のようにパクパクと口を開閉させる。
愛を語るより口づけをかわそう
果たされたかは、二人だけの秘密
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