小説
オレと笑顔。
(※タルタロス)
報告します。
只今、局地的ブリザードが吹き荒れております。
助けてもらった筈なのに、何故。
エンゲーブで合流したのは、新しい家族のマルクト軍人アスラン・フリングス少将。
局地的ブリザードを現在進行形で引き起こしている。
無能とは所属が違うけど、奴より軍位が上なのは確か。
まず下士官から低い順に、伍長、軍曹、曹長。
尉官は順に、准尉、少尉、中尉、大尉。
佐官は順に、准佐、少佐、中佐、大佐。
将官は順に、准将、少将、中将、大将となる。
因みに神託の盾(オラクル)騎士団内の階級は。
低い方から順に、尖兵、響長、謡長、奏長、響手、謡手、奏手、響士、謡士、奏士、謡将、奏将。
さてここで、ちょっとしたサプライズ。
襲撃犯ことティア・グランツ「響長」16歳。
スパイことアニス・タトリン「奏長」13歳。
スパイの方が襲撃犯より、階級が上なんだぜ!
以上、オレからの無駄な豆知識でした!!
話は戻って、エンゲーブ。
キムラスカからマルクトに、オレの捜索、及び保護願いがあったらしい。
報(告)連(絡)相(談)は大事だよね。
それを怠った無能はアスランさんに冷えた笑顔で搾られ中。
無能は何処吹く風、つか真面目に聞けや35歳児。
オレ?
オレはほら、自ら保護要請したし(エンゲーブにて鳩使用時)。
貴賓扱いですよ?
和平の使者は無能からアスランさんに変更。
無能は親書を取り上げられ、所属の第三師団諸共アスランさんの指揮下に。
当然の帰結だぁな。うん。
所変わって、タルタロス。
病弱設定を活かし、マルクト軍人さん達に護衛に回ってもらった。
元々の乗組員と、アスランさんとその部下100人弱。
合計240人程。
タルタロスの定員は約300人らしいので、余裕っちゃ余裕。
「そろそろか………」
目でアスランさんに合図すると頷きで返してくる。
と同時に響く警報音。
「露払いをしてきます。ルーク様はこのまま部屋に留まって頂きたいのですが………」
「………気を付けて」
護衛さん達に囲まれているオレ。病弱設定なので部屋から一歩も出ねぇよ?
演技でぐったりとした様子でテーブルとお友達状態。
それを見て、苦笑しながら出て行くアスランさんと数名。
「大丈夫ですか? ………申し訳ありません、師団長が………」
「気にしないでくれ。貴方方は上司に従っただけなのだし」
ぐったりとしたまま手をヒラヒラ振る。
と、伝声管から、無能の「作戦名『骸狩り』始動せよ」の声が。
振動と共にタルタロス緊急停止。
つーかさ、「作戦名『骸狩り』」って何処の厨二病?
腹抱えて笑いたい。
「戻りました」
「………? 大佐殿は?」
アスランさん達だけ?
今度は椅子に凭れてぐったりしていたオレの素朴な疑問。
無能+αが居ない。
そしてアスランさん、ブリザードスマイル(恐っ)。
「何をトチ狂ったのか知りませんが、封印術(アンチフォンスロット)を食らったまま導師イオンを連れ出し、行方不明です。ルーク様襲撃犯も一緒と思われます」
うおい、マジか。
あーあーあー………。
第三師団の方達、男泣き。
見捨てられたって事だもんねぇ。何やってんだ、無能。
そしてアスランさん、ブリザードスマイルがものっそ恐い。
「ひ、被害状況は………?」
「艦は暫くすれば動きますし、乗組員は全員無事です」
「全員無事………。良かった、物は壊れても直せるが、人は死んだらそれまでだ。命あっての物種ってな」
………ん?
何故、皆固まるし。
((姉上が笑ったからだよ!!))
(………は?)
―――普段の其方は無表情故
(ぇえ?)
そー言われれば、表情筋が動いた気が。
気色悪かったんだろうなぁ、固まる位。
「この後は?」
「グランコクマに報告後、セントビナーに向かいます。その後、馬車にて移動と相成りますことをご容赦下さい」
「ふむ………。この軍艦は非常に目立つしな。これを見て、すわ戦争かとなる民も居るだろう。言い方は悪いが、セントビナーで乗り捨てるのは悪くない判断だ。馬車はオレの体調を慮ってくれたからだな? ありがとう」
………。
あ、あれ?
何か皆さん(主に第三師団)泣いてらっしゃる!?
そんなこんなで、目指すはセントビナー。
教訓。
普段温厚な人程怒ると恐い。
未だにアスランさんが、ブリザードスマイルなんだよー(泣)!!
早くセントビナー着いてー!!
'13.03.16
[*前へ]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!