[携帯モード] [URL送信]

小説
When it is possible to fly over the sky.(バカテス:康明)



もし空が飛べたら、何処に行きたい?




「ムッツリーニはさ、空が飛べたらって思った事、ない?」


屋上での昼食後、明久は空を眺めながら己の恋人に問う。


「………明久は、ある、のか?」


いつもは無表情な康太が、若干不安げに明久を見やる。

そんな康太の様子に明久は、彼にそんな顔をして欲しい訳じゃないのにと苦笑し、ある、と呟いた。


「だってさ、何処にだって行けるじゃない」

「………風に乗らないと、無理な時もある。………そもそも渡り鳥の羽根の付け根の筋肉、すなわち………」

「いや、そーゆー説明要らないから。寧ろ、お腹減るから。てか、鳥の話なんてしてないよね!?」


その後顔を見合わせて、密やかに笑い合う。




もし空が飛べたら、何処に行きたい?




「………明久が居るなら、何処へでも」

「……僕も、ムッツリーニが居るんなら、何処にだって行くよ」



此処じゃなくても。
君さえ居るなら。
其処がぼくらの楽園。






空を飛べたら

君がいる所へ、すぐに行ける


[*前へ][次へ#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!