イエロウ・パーカーI
おまけ《こちらの世界の黄色いアイツ》
「………ぷぐッ、」
よく分からない効果音で遥は吹き出して、直ぐに壁に向かったかと思うとそのまま肩を震わせて笑い始めた。
「………」
その様子をじっと見詰める衛。
否…イエロウな、衛。
「まぁ、衛様!とてもよくお似合いですわ」
にっこりと微笑む華奈からコーヒーを受け取る。
「あー…有難う御座います。いえ、どうやらまた彼女の遊び道具になりそうなので」
脱ぎます、と言って奥の書庫へと消えていった。
「…勿体ないですわ」
「…あれ、衛は??」
「あちらで着替えて来られるそうです」
直ぐに、パーカーを持った何時もの姿の衛が出てきた。
「あーあ。面白かったのに」
「はあ…よく分かりませんが…」
お返しします、と遥に渡すと彼女は頬を膨らませてそれを受け取りながら言った。
「…仕方ない、これボンボンにでもあげるわ」
…聞いた瞬間、衛はひょいとパーカーを取り返した。
遥の手が空をかく。
「…ちょ、何よっ」
「………気が変わりました。これ、戴きます」
何なのよと文句をいう遥を尻目に、イエロウ・パーカーは衛の手の中に収まったのだった。
《終わり》
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