イエロウ・パーカーF
青年2人のその後
(※男の子が少しイチャつきまス)
ひりひりする肌の感触と、上半身裸になった寒さ両方に、生王は顔をしかめた。
「弥勒」
散乱した上着やらシャツやらのその先、自分の腕を未だ掴む弥勒を見ると…彼は短くなった煙草を空の弁当箱に押し付けていた。
ジュ、という音がする。
「弥勒」
「どうした、」
どうしたじゃない言いたいことは沢山あるが取り敢えず、
「…上着出すから、放して欲しいんだけど」
徐々に熱を帯びてきた掴まれている部分をちらりと見る。無理矢理服を脱がされたと思えばこれだ。生王は時々彼の行動の意図が掴めない。
「どうしようかなぁ」
「いやいや、放してよ」
「どうしてもか」
「どうしてもっ、寒いからっ!!」
「…なに、寒いの??」
弥勒は口の端を上げて不敵に笑むと、生王の腕を勢いよく引いて、
「えっ、みろっ…わぁ!!」
自分の下に、組み敷いた。
「あてっ」
後頭部を強か打ち、生王は悲鳴をあげる。
弥勒はその姿に苦笑しつつ、彼の唇に直ぐに噛みついた。
「ん!?むぅー!!!」
大きく目を見開き、生王はじたばたと暴れて弥勒の肩を掴む。
必死の抵抗の甲斐あってか、暫くして弥勒は唇を離した。
「…は、っうう、」
生王は口を押さえて顔をしかめた。どうやら煙草を喫んでしまったらしい。
「…どうだ、温まっただろう」
弥勒は満足したように微笑むと、自分が持ってきた紙袋を引き寄せて中身を漁る。
「―――ほら、」
「…!?」
いきなり押し付けられたそれを、生王はきょとんとしながら受け取った。
「…ぱ、パーカー??」
「やるよ」
なんとも鮮やかなイエロウのパーカーに、どうしていいのか分からなくなった。
取り敢えず、着てみるべきか。
「…あ、有難う…」
礼を言い、もぞもぞとパーカーを着る。
サイズはぴったりだった。
「あげる代わりになんだけど」
真新しい布の匂いを感じていると、弥勒が生王を見ながらにやにやして、言った。
「―――――」
《続く》
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