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白くて細い指がシャープペンシルを握っている。
爪はどれも長く綺麗なアーモンドに整えられていて、マニキュアも塗ってないのにつるつるのピカピカ。少し骨張っているところもすてきだと思う。
テーブルの下では長い足を組んでいる。


「幸村。きいてる?」


動いていたシャーペンがとまって、向かい合って座ってる政宗様の片目がわたしを見た。
手をぼうっと観察していたので、へ、と素っ頓狂な声をあげてしまう。


「ったく、」

「ごめん…」



高校に入ってから赤点常習犯なわたしのため、政宗様が勉強を教えてくれるというのは定期考査が近づくと恒例のこと。
学校の帰りにどちらかの家で、一週間まえからみっちりとふたり一緒にいる時間はそれに宛てられる。
今日は佐助の帰りが遅いのでわたしの家。

せっかくしてくれた説明をきいていなかったので政宗様がはあとため息ついた。
それからシャーペンを教科書を開いている真ん中に置く。


「眠い?」

「ううん」

「あたし眠くなった。休憩しよ」


そうだよね、政宗様にとったらあんな簡単な問題、頭悪いばかなわたしに説明してくれて(しかもきいてない)、退屈に決まってる。またこころの中でごめんって謝った。

政宗様がちいさくあくびして目をこする。


「ひざ枕して」

「えっ」

「勉強教えたじゃん。ご褒美」


そういわれると…。

いつもご飯食べるテーブルのわきにはテレビともうひとつ座卓があって、二人がけのソファがある。

そのソファを背もたれにして、まだ冬仕様でもこもこのカーペットに座った。
寝転がった政宗様が頭をふとももに乗っける。下から見上げるまつげは長い。
黒い髪の毛を指先でくるくるして遊んだ。


「幸村、」


いたずらにほほえむと腕がのび、わたしの頭を撫でて髪の毛を耳のほうにすいた。
そのまま頭を政宗様の顔に引き寄せられて触れる。キス。

むぎゅ、と胸が政宗様の頬を圧迫していた。


「おっぱい、苦しい…」

「ぎゃ、」


苦しかったらしい政宗様がわたしの乳をわしづかみにした。
むにむに、片方を揉まれて、やだ、やらしい触りかたしないで!


「えっちな顔すんな」

「…ま、っ」


がちゃ!


「ただいま!いきなり早く帰」


えっ?


「ゲッ、政宗、」

「ささささささ佐助!」


早帰りになった佐助が帰宅。


「ちょっと!幸村に何してんのさ!」

「あ?今なごんでたんだよ。お邪魔虫」

「なごんでたあ!?セクハラだろ!」


佐助と政宗様は仲がわるいのだ。(なぜ…)

幸村!離れなさい!と佐助が叫び、起き上がった政宗様はわたしをぎゅっと抱きしめ、べーっと舌をだした。


しばらく政宗様が我が家出入り禁止になったので、テスト終わるまで政宗様のお家で勉強しました。
(よけいらぶらぶしたよ!)

もちろん赤点はぎりぎり回避。







あきゅろす。
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