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24h



「きゃー政宗様!新製品でござる」


幸村が「春期限定」とある桜味のチョコレートを持ってはしゃぐ。
桜味って何だ?と思いながら幸村の側へ。

家から近いコンビニ。
俺が酒切れてたの忘れてたから、買いに行くかってゆったら幸村もついてきた。
とりあえず安いワインと適当なつまみ、それから幸村が飲むチューハイをカゴに放り込んだ。

幸村はここに来てからお菓子コーナーに入り浸りで動こうともしない。

気が済むまでいさせてやるか。


「キットカットも新しいぜ」


へー、ポッキーもこんなにいっぱい有るんだな。え、ピスタチオ味のチョコって何?どんな味?

菓子なんかめったに見ねえ。
おもしれーと思いながら幸村の背後に立ち、カゴを持ってない片手でうしろから腰を抱いた。

お菓子コーナーを右から左に移動する。
幸村がそうやって動けば俺もずるーりついていく。

気になるのをどんどんカゴに詰めるから、溢れそうなくらいになっていた。


「hey、幸村。もう入らねえって」

「あ、すみませぬ」


うしろから抱きしめとちょうど顎の下にくる肩に頬をかたむけた。
謝っておきながらお前、まだ見るのかよ?

背中のほうのお菓子コーナーに向き直ると、今度はレジ側へずるーり。

頬を幸村の肩においていると、首筋が目に入る。
ああうまそう。なんて思ってそこへ思わずかぷり、甘噛み。


「んひゃ!なっなにを」


顔真っ赤。当たり前か。
可愛い。
ぐっと腰を押し付けた。


「ひま。もういいだろ?」


つかそろそろカゴ持つ片手が痺れてきたのね。

観念したのかそのままレジにむかう。


いらっしゃいませーっていう店員の前にどっとカゴ置いて、今度は両手でからだを抱きしめた。

鳴りやまないピッピッてゆー音。
この時間混んでねえんだな。

それからタバコくれ。んーと何だっけ、マルメン。指でふたつー。ってしたら店員が愛想よくも面倒くさそうにそれもピッてした。


「5218円になります」


すげ、コンビニでしかもほぼお菓子で5000円越えって。


「カードで」


クレジットカードを挿入口にいれて、ほんの5秒もかからないで支払い完了。
店員が袋に入れてくれるの待ってたらまた暇になってきた。

さわさわ、幸村のはいてるぴっちりしたスカートのポケットに片手突っ込んだ。


「ま、政宗様っ」

「何?なーゴム有ったっけ?」

「うん。う、くすぐったいでござる」



コンビニで1番でかいと思われる袋3個ぶんを店員がありがとうございました!と詰め終わる。


「Thank you。幸村ー?行くぞ」


またレジわきにピックアップしてある、入学祝い、とかいう桜コーナーに張り付いてた幸村。入学かあ、そんな季節だな。
桜もち?待て、まだ食う気か。
中でも軽そうな袋選んで(幸村は力持ちだが)ひとつ渡した。


幸村と手が繋ぎたいがために、酒と菓子の詰め込まれた2袋を片手に持って、揺れるそれを捕まえた。
血が止まりそうだとか知らない。





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バイトのときうしろから彼女を抱きしめてるカップルがいて、なんだか、たいへん気まずかったです






あきゅろす。
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