小説 不器用なあいつ(XS) ー飯時ー 「オイカス人参入れんな」 ドカッ 「う゛お゛ぉい!皿投げんなぁ!そして人参食えねぇとかガキかぁあ!!」 「うるせえ黙れ」 「おぶっ!だから皿投げんなぁああ!!」 ー風呂時ー 「このカスシャンプーはつ○きと決まってるだろ」 「ぐはっ!だからって俺にシャンプー投げんなぁ!」 ーはたまた飯時ー 「カス」 「なんだぁ!また文句でも…ぐはぁっ」 「魚と野菜は嫌いなんだよ」 「だからって投げんなぁああああああ!!」 …ったくなんなんだザンザスの野郎イライラし過ぎだろ しかも俺にばかり当たりやがって…… 「あ、カス先輩だー」 「カス言うなガキぃ」 「ひっでー俺ガキじゃねぇし」 「ひどいのはどっちだぁ」 「ってか先輩元気なくね?つまんねーのー」 「うるせえ疲れてんだよ……」 はぁ、とため息つくとベルは不思議そうな顔をする 「ししっ、もしかしてボスの事?」 「な、何で解ったんだぁ」 「だって先輩悩むって言ったらボスの事くらいだろ」 そう言って面白くししっ、と笑う 「ボスさーカス先輩にしか当たんないじゃん。何でか解る?」 「お゛、おぉ…?なんだぁそれわからねえぞぉ」 「うししっにぶちーん。さすがカス♪」 「う゛お゛ぉい!どういう意味だぁ!」 何だか勘に触って怒鳴るとベルは短いため息を吐いて真面目そうな顔でこう言った 「ボスはさぁ…先輩にしかきっと心開いてないと思うんだよね」 「おぉ…?なんだそりゃぁ…」 「だからきっと先輩に当たると思う。ボスは想い伝えるの不器用そうだから」 「……」 全然そんな事考えて無かった 確かにザンザスは不器用だ。だから俺に当たって… 「ま、これでわかっただろ?あとは自分で考えなー」 そう言うとベルは背中を向きながら手を振ってどこかへ行ってしまった 俺は…ザンザスを傷つけてた…? 「…ザンザス!」 「うるせえ。なんだカスが」 扉を思いっ切り開けるとザンザスの瞳は少し怒りを宿した 「ザンザス…俺に当たるのはどうしていいか解らないからかぁ?」 「…あぁ?」 ジロリとその瞳で睨まれる でも瞳の奥は少し悲しそうで 「…本当に俺にイラついてるのかぁ?」 ザンザスはイラついたような瞳で俺を睨んだ 「うるせえ…どいつもこいつも気にいらねえんだよ」 「でもよぉ…俺にイラついてるのは俺を信じてるからかぁ?なかなか素直に想い伝えられないとベルが…お゛ぶっ!」 「うるせえカスそれ以上喋んな」 ベルに言われた事を素直に言ってる途中でガラスを投げられる 「う゛お゛ぉい!もう知らねぇ!!何度投げんなと言ったらわか…ぶっ!」 「黙れと言ったはずだ」 この…この…またガラス投げやがった…! 「あ゛ぁああもう知らねー!このバカボスーー!!」 「(行っちまった…)」 どうして良いかわかんねえんだよカス… 伝えるってなんだ? 想いってなんだ? だから…… 本当はきっと お前が好きだ いつか伝えさせろ、カス [*前へ][次へ#] [戻る] |