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小説
温もり(10年前SX)


結局は…俺が悪いのか?


「お前目つきとか態度とか悪過ぎ。人が離れて行くのもわかる」


そう冷たく言うのは俺に付きまとううっとうしい輩

世間じゃこれが友達とか言うらしいが俺はそんなものに興味は無い

「…あぁ?」

「ほらな、すぐそうやって顔に出す」

そいつは呆れたように頭を掻きながら冷たい目で言う

「俺は友達だから言ってやるんだぜ?」

「興味ねぇよ…」

友達とか邪魔な存在だろうが……
でも何で俺は心を乱してるんだ…?

「まぁ直す気無いなら俺はお前と縁を切る。じゃあな」

そいつはそう言うとその場を去った
俺はそいつを引き留めもせずヤツの背中を見送った

「……」

ヤツの姿が見えなくなると俺はその場に座り込んだ


捨てられるのは慣れてる筈だが心は少し…いや結構乱れていた


息が苦しい…
だがしばらくすると治ってホッとしていたら…

「う゛お゛ぉい!ザンザスじゃねぇかぁ!どうした?浮かない顔して」

うるさいくらいの声で話しかけるのはこいつも俺に付きまとううっとうしいカス…スクアーロ

こいつは空気と言うものを読まないのか?
気安く話しかけやがって…

「う゛ぉ゛っいきなりなぐんなぁ!」

「うるせぇ……」

「なんだぁザンザス…誰かに何か言われたか?」
「お前には関係ねぇ…」

「ったく…」

「…っ!?」

瞬間、俺はスクアーロの腕の中に居た

「カス…何のマネだ」

「まぁいいだろ…」

少し声のトーンを低くして言ったがスクアーロは腕の力を入れる

「ザンザス…辛いんだろ?」

そんな風に優しく言うな……
このカス…

そう言おうとしても声にならなくて
変わりに出たのは瞳からの透明な雫だった

「……っ見んなカス…」

「泣いて良いんだぜ…そして嫌な事忘れちまおうぜ」

スクアーロは俺の涙を袖の端で拭う

「俺はちゃんと居るぜ…」

「…本当か?」

「あぁ、お前に着いていく」

信じて良いんだな…
カスが…

「ザンザス…愛してる」

たまには甘えるのも悪くねぇ…

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