あまずっぱい




学校に行く準備はバッチリ。わたしも早くも三年生、つまり進路がはっきりと決まる時期なわけで。わたしは就職希望だから面接に力を注いでいる。だから最近ちょっと声を大きめに出している。


「行ってきまーす」


玄関を出る前に言うと、奥からお母さんの間延びした「いってらっしゃーい」という声が聞こえた。
玄関のドアを開けると、そこには近所の幼なじみの顔が。


「おはようなまえ」
「よー」
「おはよう。待った?」
「ちょうど今来たところだ」


よかった、と言いながら雷蔵の隣を歩く。入学式が終わってから一ヶ月。きっかけは覚えてないけど、わたし達五人はいつも朝一緒に登校するようになった。


「みんな学校生活には慣れた?」
「何その父親みたいな話題」
「やかましい」
「みんな順調に友達できたよ。三郎なんてさっそく告られたよね」
「マジか生意気な」


たしかに中学の時からすごかったけど、まさか一ヶ月でもう告られるとは…。つか告る側もすごいよね。


「どっかの誰かさんみたいに彼氏いない=年齢の人にはわかんないよねー」
「うっさいな。その口縫うぞ!」
「口で?」
「死ね!」


あぁハチも雷蔵も苦笑してるし、兵助なんて哀れんだ目で…って兵助のが一番堪えるわ、やめれー。
とか何とかやってるといつの間にか学校に着いてるわけで。靴箱で靴を履き換えてまた四人で階段まで行く。三郎達一年生はこの階段を上った三階に、三年生はこの廊下を行ってから階段を上った先に教室がある。だからここで四人とはお別れ。あとはお昼にたまに来るかしない限り会わない。


「じゃあサボんなよー」
「お前が言うな」


たいていこんな感じに終わる。何てゆるくて幸せなんだろう。たまにふとした瞬間に、嗚呼これが幸せってことなんだって思う。バカっぽいけど、そのさりげなさがちょうどいいんだ。








幸福のひとかけら
(今日もがんばれる)






end
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意味がわからない!←
連載みたいになってしまった…何故?とにかくこの日常が大切、みたいなことを言いたかった…みたいな

消そうと思ったけどどうせだからうp


090505



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