卒業証書と共に




桜の木が桃色に色付き始めた今日この頃。わたしの二つ下の幼なじみ達は卒業を迎えた。


「三郎達もついに卒業かぁ…」
「あっという間だったな」
「楽しかったけどなー!」


校門の前で記念撮影をしている人達を眺めながら、いつものメンバーが集まる。幼なじみ…というか腐れ縁というか。
小さい頃から一緒にいたから気づかなかったけど、4人共ちゃんと男らしく育っているらしい。いつの間にか越されていた身長を感じる。


「それにしてもみんなモテモテだねぇ。雷蔵、それ学ランの意味なくない?」
「俺がモテるのは当たり前だな」
「黙れ変態三郎」
「どうせ高校行ったら着ないんだからよくね?」


学ランの胸元らへん。4人共校章やら組章やらボタンが無くなっている。雷蔵なんて第二ボタンなんて当たり前で、全部ない(ガラが悪いよ)。たぶん断れなかったんだろうな。
てか組章と校章ってみんな持ってるから誰のかわからなくない?(ボタンもしかり)わたしは貰ったことないから気持ちはわからないけどさ。


「来月から高校生だねー、ハチ以外」
「何で俺以外なんだよ」
「だってあんた以外は頭いいんだもん、確定でしょ。ハチは…運がよければね…」
「ひでぇ!俺だってがんばったんだからな!」
「ちょ…ハチもなまえも落ち着いて…」
「明日が合格発表だよね。わたしも見に行くから。てか兵助さっきからどうしたの?」


さっきから一言も喋らない兵助が気になった。ぼーっと桜の木を眺めている。感傷に浸ってるのかな?


「いや…


卒業したら給食の揚げ豆腐食えなくなるなと思って…」
「「「「………」」」」
「…わたしが作ってあげようか?」
「本当か!?」


たしかにここの給食はおいしかったけどさ…。まあいいか。お弁当の一つや二つなら。兵助、そのキラキラした顔止めて喰いたくなるから。


「まぁとにかく、」






卒業おめでとう!
(ってことで)




(てかみんな第二ボタン誰にあげたの?)(あげてないよ)(は?)(やっぱこれは自分が大切だと思った人にあげたいって思ったからな)(俺も)(だから、はい)(え、)

((((これからもよろしくお願いします!))))

(…お前らホントに大好きだっ!)






オチなし!
うちの五年生はみんな揃うといい子達になる奇跡…
卒業おめでとうございます!←遅

090423



あきゅろす。
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