がんばれ受験生!
―――3月
この月は学生にとって大きな行事がふたつある。一つは卒業。もう一つは、入試。
まあわたしはとっくに受験なんて終えて女子高生をやっているから関係ない。でも幼なじみ達が今年、否今月高校入試なわけで。
今はなぜかわたしの家で勉強会。4人が同じテーブルに向かっている。てか三郎も兵助もわたしより頭いいのに何で来るんだよ(雷蔵は平均以上できる)。一番危ないハチだけでよかったのに。
「なまえ!ここどうやるんだ?」
「そこはほら、さっきも言ったじゃん。この公式を使うの」
「あ、そっか!」
……八左ヱ門くん、その笑顔で人殺せるんだよ。知ってた?←ここに一人
ていうか天才と秀才は既に勉強終わらせてお菓子食べてるし。兵助、その豆腐はどこから出した?
「あ、そういえば皆何でわたしと同じ学校志望したの?」
だって天才と秀才がいるもん。わたしの通ってる学校、結構レベル低いよ。わたしが何気なく思ったことを口に出すと、4人はぴたりと止まってしまった(え、何で?)。
どうしたらいいかわかんなくてキョロキョロしてると、雷蔵が仕方ないと言うように口を開いた。
「あのねなまえ。正直言って僕達はどこでもよかったんだ、ハチはそうでもなかったけど…」
「ほっとけ!」
「……だったらなまえと同じ高校に、って思ったんだよ」
…え、まさかわたしと同じ高校に通いたくてがんばってたの?(主にハチが)
三郎を見ると、顔を赤くしながら膨れっ面でそっぽを向いている(あれは照れてる時の顔だ)。兵助も頬が赤い。
そういえばそうだよね、3人の学力ならもっと上狙えるもん。てか何それ。めっちゃ嬉しいんだけど!
「……っみんなかわいい!大好きだー!」
「うわっ!なまえ危なねぇ!」
わたしは嬉しさのあまり4人に抱き着いた(その拍子に豆腐が崩れたけど気にしない)。久しぶりに抱き着いてみたけど、ふたつ下の幼なじみ達は随分と逞しくなっていた。少なくともわたしを抱き留めるくらいには。
「何してるんだ、お前…」
「馬鹿だろ」
「おいこらそこの馬鹿みたいに頭いい二人、わたしを罵るなバカ!」
「お前も子供っぽいな」
「み、みんな落ち着いて…」
うん、最近学校生活に疲れてたからなんか癒される。やっぱこいつら最高だわ!
入試当日まであと7日
(……ハチヤバくない?)
(なまえの高校って結構先輩行ってるよな)(立花くんとか潮江くん?よく教室来るよ)(中在家先輩もいるんでしょ?)(あの有名な6人がいるのか…)
(((…………)))
(え、わたしがいなかった1年の間に何があった!?)
オチがない…
090417
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