みんなでお買い物・中




アヤカ達と別れて4階にやって来た。どうやらこの階にはおもちゃ関係と書店が並んでいるらしい。向かいにはゲームコーナーがあって騒がしい。ティエリアは早速書店へと入って行った(あの速さは尋常ではない…)。
俺の隣には身長20p差のアレルヤ。周りではひそひそと「かわいい兄弟ね〜」「お兄さんかっこいい!」など、子供連れの母親達が俺達を好奇の目で見てくる。確かに髪の色は似てるかもしれないが、注目される理由がわからない(それは君達の顔がいいからですよ…by.管理人)。


「どうしたの、刹那?着いたよ」


どうやらアレルヤには周りの声が聞こえていないらしい。その点に関しては疎いが、ある意味羨ましい。あまり気にするようなことではないからいいが……。


「いっぱいあるね。刹那はどれがいいんだい?」


おもちゃ売り場のガンダムコーナー。凄まじい数のプラモ達が高らかに積み重ねられている。俺は迷わず最新作のダブルオーガンダムを探した。


「(……あった。でも…)」


高い。
162pしかない俺には届かない位置にある、求めるガンダム。これは俺にとって最大の越えなければならない壁だ。一人意気込んで、精一杯背伸びをして腕を伸ばす。
………が、届かない。
やはり俺には無理なのか…。しゅんとしていると、アレルヤが不思議そうに声をかけてきた。


「刹那?」
「、アレルヤ…」
「………もしかして届かないのかい?」


悔しいが、俺はこくんと頷いた。


「どれが欲しいんだい?」
「……あれ」


俺の指先、一番上にあるプラモの箱を指差す。と、アレルヤはいとも簡単にその箱を取って、俺に渡した。


「はい。これでよかったかな?」
「………(こくん)」


これが20pの差なのか…?
多少落胆したが、俺の腕の中にはオーガンダム。嬉しくなって、そんなことすぐに忘れてしまった。


「早く買ってきなよ。僕はティエリア見てくるから」


もちろんすぐにレジに向かった。しっかりとアレルヤにお礼を言ってからだ(それはやらないとな)。













*******


「…あれ、ティエリアもういいの?」
「欲しい本はもう買ったからな。わざわざ立ち読みするほどでもない」
「はは、ティエリアらしいね」


僕がおもちゃ売り場を出ると、その前にあった椅子にティエリアが腰掛けていた。別れてからそんなに時間は経っていないはずだから、本当に欲しいものだけ探して出てきたに違いない。


「刹那はまだか」
「今お会計してるからもうすぐだよ」


それと同時に、刹那がひょっこりと顔を出した。


「買ったかい?」
「いや…それが、」


刹那は気まずそうに俯いてしまった。その様子にティエリアも不思議に思ったのだろう、僕の隣に立った。


「刹那?」
「……お」
「?」














「………お金忘れた…」


僕達の間を風が通り抜けた瞬間だった。







お茶目だね!
(それで済ますのは無理があるぞ)





へたれなせっつん。



090228
090525修正




あきゅろす。
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