ちょっと違う朝
いつも通り朝は5時半に起きて、6人分の朝食と弁当を作る。ハレルヤはたまにバイト先で出るときがあるから、ちゃんと昨日聞いといた。
ちなみにロックオンとハレルヤ以外は学生なので、弁当は毎日欲しい。いつもはこれにお父さん達の分もあったから、大分楽になった。でも、寂しいという気持ちもないわけではない。
「ま、暗くなってもしょうがない!さてご飯ご飯ー」
今日は珍しくみんな起きてこない。自分だけでちゃっちゃと運んでしまった。でも起きてこない。時刻は7時を回ろうとしていた。
アレルヤとティエリアは7時半頃には家を出ないと電車に間に合わない(同じ大学)。ロックオンは7時半過ぎには学校につかなければならない(高校教師だから)。
ハレルヤはたしか今日は10時に家を出ると言っていたからいいとして、刹那は私と一緒に8時に家を出なくてはならない。
「流石にヤバイよね…」
各部屋がある2階に上がり、階段に一番近いアレルヤの部屋からガタガタという音が聞こえた。起きたのだろうか、とドアをノックする。
「アレルヤー、起きてるー?」
「アヤカ!?」
声がすると、勢いよくドアが開かれる。いつものさらさらとした髪は半ば跳ねていて、寝坊したのだと見てとれる。
「ごめんアヤカ。もうこんな時間で…」
「いいよいいよ。それより早くご飯食べて支度しちゃいなよ。遅れるよ?」
「…うん。ごめん」
そう言って、アレルヤはせわしなく階段を下りて行った。どうやら、いつも起こしにくるアレルヤが来なくて、今だにみんな寝ているらしい。
次は急いで隣のロックオンの部屋をノックする。でもいつまでたっても声が聞こえない。仕方ないので、部屋に入ってベッドまで行く。
「ロックオーン、朝だよー。遅れるよー」
「んー…、アヤカ…?」
「うん、おはよう。もう7時だから起きてね」
「……7時?まじかっ!?」
慌てて着替え始めたロックオンを背にして、次はティエリア。ティエリアが寝坊なんてアレルヤ以上に珍しい。この人、低血圧だから朝は一番怖い。ノックをしようとしたら、先にドアが開いた。
「あ、起きた?」
「……僕が寝坊など…、万死に値する…!」
それだけ言って、ティエリアはふらふらと階段を下りて行った。どうやら寝坊が余程ショックだったらしい。あの鬼の形相……恐かった…。
次は刹那。起こされないと起きない人No.1だ。
「刹那ー朝ー!」
ノックもしないで部屋に入って布団を揺らす。
「………」
「刹那ー、遅刻しちゃうよー」
「、…んぅ…」
「(か、かわいい!)起きてよせっつん!」
「…あと5分…」
「だめ!……起きないとアレルヤが怒るよ?」
ガバッ
「…着替える」
「うん、よし!」
私は部屋を出て階段を下りた。すると、刹那とハレルヤ以外の3人は家を出ようとしていた。
「みんな気をつけてね!」
「うん、行ってきます!」
「行ってくるぞー」
「…行ってくる」
それぞれの反応に笑いながら返事する。
てか私達も遅れる!
090208
090525修正
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