改めまして、




「……電話してみたけど、出ないよ」


さっきまでのショックから漸く抜け出した私達は、とりあえず取るべき対応をした。お母さん達の携帯に電話をかけたが、繋がらなかった。どうやら新調してしまったらしい(どうやって連絡とるんだ!)。つまりこちらからは全く連絡ができない状態だ。


「どうりで朝からオッサン見ないわけだ」
「父さん達の部屋に行ってみたけど、綺麗に片付けてあったよ。当分帰ってこないつもりだろうね…」
「「まじか…」」


私とロックオンとアレルヤは大きな溜め息を盛大についた。これからどうすればいいんだ。お金は口座に振り込んでおく、とは別の紙に書いてあったからいいとして(いや良くないが)、どうしろと?
今日が祝日で助かった。考える時間だけはありそうだ。


「(でも…初っ端からくじけそう…)」


ショックが大き過ぎるて頭のなかがぐちゃぐちゃだ。


「……でもいつもとそんなに変わらなくないか?」


ずっと黙っていた刹那が口を開いた。


「そいいえば…」
「お父さんもお母さんも帰ってくるの遅いし…」
「家事は僕たちでやってるしね」
「「「………」」」

はぁ…、とまた盛大な溜め息が吐き出された。これでどれくらい幸せが出ていったんだろう。


「とりあえず…、これからもよろしくね…?」


改めて、ちゃんと言ってみる。ここでうだうだやっていてもしょうがない。現実を受け入れてやろうじゃないか。


「…そうだな。よろしくな、アヤカ」
「どうしようもないしね。よろしく、アヤカ」


ホントにこの人達は優しくて癒される。


「ほら、三人も」
「あぁ?…めんどくせぇ…」
「アレルヤ?(黒笑)」
「(Σビクッ)…よろしく」


いつもは態度の悪いハレルヤも、実兄のアレルヤには敵わないらしい。


「……よろしく、アヤカ」
「いつもと変わらないならいいじゃないか」


刹那はアレルヤの気に障るのを恐れたのか、素直に言った。ティエリアはどうでもよさ気。


「まぁまぁ。でもあれだな、アヤカも弁当の数減って楽になんじゃねぇか?」
「たしかにー」
「……血の繋がらない男女が同じ屋根の下…」

ビタッ


唐突にポソリと呟いた刹那の言葉に全員が固まる。

「そうだよな…じゃあこれで漸く手出せるのか…?」
「女がアヤカだけか…」
「………」
「?」


みんなぶつぶつ言っているが、何を言っているのか聞こえない。


「でも家族なんだから、みんなで協力していこうね!」
「………そうだな」


男達は少し残念そうに溜め息をついた。


「(違うの?)」





複雑…



090208
090525修正




あきゅろす。
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