体育祭4




ついにこの日が来てしまいました、体育祭が。いやわたしはこういう行事好きだから来て嬉しいんだけど、楽しめない理由が一つ。
家族(美形)が来るから。
アレルヤ、ティエリアも今日はちょうどオフらしいし、ロックオンは日曜日だから休みだしハレルヤは今日バイト入れなかったらしいし。何てタイミングの悪い!前回わたしは体育祭の日にちを言わないで平和に終わらせようと思ってたのに刹那が墓穴掘っちゃったせいで今年も気苦労が絶えないじゃないか!
なぜって?皆美形だからだよ。女子高生だもん、色気使って言い寄って来るんだよ。しかも相手は半ホストだから女の扱いには長けてる人達ばっかりだから、無意識の内に落としてるし(そのあとが大変)。わたしの名前を出した途端にくる突き刺さるような雌達の視線には堪えられない…!

そして今はお昼休憩の時間。刹那も合わせた6人でアレルヤの作ってきたお弁当を囲んでいるんだけど、それをさらに囲んでる後輩から先生までの飢えた雌達。正直言って恐ろしいことこの上ない。なんでだろう、さっき個人リレーで一位になって嬉しいはずなんだけど泣きそう。


「アヤカ、さっきから箸が進んでないけどどうかした?口に合わなかった?」
「え!?いやいやそんなわけないじゃん!美味しいよ!」
「そう?それならいいんだけど…」
「暑いのか?熱中症には気をつけろよ」
「はしゃぎ過ぎてぶっ倒れるなよ」
「そこまでバカじゃないし!大丈夫だよ、ベンチではタオル被ってるし」
「ん、くれぐれも無理はしないように」
「あーい」


中々口を開かなかったわたしを心配したのか、アレルヤ、ロックオン、ハレルヤが声を掛けてくれた。それのおかげでなんかどうでもよくなった(さすが何年も一緒に住んでないよね)。でも今度は刹那が喋ってないのに気がついた。刹那とティエリアがあまり喋らないのは日常茶飯事だからいいけど、心なしか顔が青い気がする。


「どうした刹那、やけに暗いな」
「いや…」


それに気づいたらしい隣にいたティエリアが話し掛ける。うん、最近ティエリア優しくなった気がする。雰囲気変わったよね。


「刹那?」
「…………このあと、





 仮装リレーがある……」


「「「「「…………あ、」」」」」


忘れてた。






090512




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