体育祭1




風が暖かくなり始めた今日この頃。わたし達の学校でもやはりこの行事はやって来るらしい。


「では今から体育祭の個人種目を決めてもらいます。くじ引きですので、一人ずつ引いてください」
「体育祭かぁ…。めんどいね」
「まぁ、そう言わないで」


クラス委員が黒板に種目をどんどん書いていくのを目で追いながら、わたしは隣の席のリヒティに話しかける。


「だってさ、5月って言ってももう日は暑いんだよ?しかも体育祭って外でやるじゃん」
「そりゃ、人数多いっすからねえ?」
「つかたいていその時にかぎって晴れやがるじゃん。まじふざけんなこのやろー」
「キャラが定まってないっすよ、アヤカ」
「いいんだよ、そういう連載だから」
「おい」


そんなかんじに時間を潰していたら、どうやらわたしの番が来たらしい。明らかに手作りの箱に手を突っ込んで一枚を引き抜く。そこに書かれていたのは“借り物競争”。


「明らかにめんどくさそう」
「どんまい」
「リヒティは?」
「ん?“パン食い競争”」
「ふーん(微妙に地味)。クリスにいいとこ見せられるといいねぇ」
「なっ!」


ニヤニヤと笑いながら言ってやると、リヒティは顔を真っ赤にさせて吃り始めた。からかいがいのある奴め。


「何なに?何の話?」
「ぶふっ!」
「あ、クリスー」


ナイスタイミング!暇になったらしいクリスがわたし達の席に来た。噂をすればなんとやら…


「クリスは何に出るの?」
「わたしは“障害物競争”だよ!」
「うわ、そっちのほうがめんどくさそう」
「アヤカの基準はそこなんすね…」
「フェルトはー?」


まだ席に真面目に座っていたフェルトをちょいちょいと呼び寄せて、競技を聞いてみた。


「わたしは“仮装リレー”…」
「何それ」
「アヤカ、あんたちゃんと話聞いときなさいよ…」
「選手がお題に書いてある通りのコスプレをしてゴールを目指すってやつっすよ」
「ゴールするまでにひとつそのキャラに合った何かをしなきゃいけないんだって」
「うわ…」
「てか見事にみんなバラバラだよね」
「ねー」


とりあえずみんな競技科目が決まったので一安心。体育祭まであと1ヶ月。






(刹那は体育祭の競技決まった?)(……仮装リレー)(マジでか)




090325
090525修正




あきゅろす。
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