[携帯モード] [URL送信]
入学式前(仁王)
 


今日は立海大附属中学校の入学式じゃ

確か立海はテニスが強いらしいからのう、早よう入部したいもんじゃの



それにしても…満員電車はちとキツいぜよ

これから毎日乗ると考えると…最悪ナリ




『買b…!?』




…俺の斜め前から何か言葉にならない声が聞こえてきたぜよ

しかも震えてる…何があったんじゃ?



俺は不思議に思って、少女の後ろを見た

すると、後ろに居たオッサンが痴漢をしとった



…最低な奴ナリ




「オッサン、何やっとるんじゃ?」




俺はそのまま震えている少女を見逃す事も出来ずにオッサンに声を掛けた


…見過ごす程、流石の俺もそこまで酷い人間じゃないぜよ



するとオッサンは、恐ろしい物を見たような目で俺を見てきた



クククッ…中々面白いナリ




「女の子にこんな事するなんてのぉ…警察に突き出すぜよ」

「ヒィ!」




俺がそう言うとオッサンは止まった駅で急いで降りて行った


…警察に突き出せば良かったナリ



…そう言えば、痴漢されとった女の子は大丈夫かの?




「大丈夫かのぉ?」

『ハイ…大丈夫…です
本…当にありが…とう、ございました…』




すると律儀な事に、その少女は俺の方を向いて礼を言ってきた


…礼儀正しいのう



そしてその少女の顔を見た瞬間、俺は一瞬声を失った

その少女の顔はとても整った顔で、美しいと言う言葉が誰よりも似合うような感じがした



…ハッ。いかんいかん

見惚れとる場合じゃなか




「別にいいんじゃよ。気にしなくてもよか
それにしてもお前さん…立海の新入生なんか?」

『あ…ハイ』

「実は俺もなんじゃ
良ければ学校まで一緒に行かんか?道のりが少し不安でのう」

『……私…で良ければ、良い…ですよ』

「本当か?それは助かったぜよ」

『い…え……』

「そうそう。俺は仁王雅治じゃ。お前さんは?」

『琴峰…珠架…です』

「珠架じゃな。俺の事は雅治でよか」

『…分かっ…た』




…よく此処まで会話が続いたぜよ

少し無理矢理な気もしたがのう…


名前を聞けただけで、拍手もんじゃろ


しかも、相手は口数か少ないからのう…

本当に誉めて貰いたいぐらいじゃ



それから俺は、珠架と駅に着くまで話した


勿論、先程のような事を防ぐ為に珠架を守るように立った

それに珠架は身長が低いからのう…

押し潰されんか心配じゃったからな



そして駅に着いて、俺は珠架の手を握って電車から出た

…珠架だけじゃ、降りれるか心配じゃからな



駅から出て俺達は学校に向かった


…これからが楽しみナリ





入学式前





 

[*前へ]

4/4ページ


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!