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ミステリー研究会・サンプル
『記憶喪失編』  

本日は晴天なり。

そんな言葉が似合う雲一つない空の下、ある学校の校庭のベンチに一人の少年が座っている。
「ここはどこだ?」
見覚えはあるけどなぁ・・・・・
「いたよ〜〜っっ麗斗(うると)君っあそこに座ってるよっっ」
「いきなり一人で走り出さないでくれます?」
目の前にボブを少し短くした感じの黄色い髪型で地味な顔立ちの男と背が高くて腰まである水色の髪を首の後ろで束ねてる綺麗な顔の男がきたけど?
いや地味っていうのは初対面の人に失礼だな。
隣の人が男のくせに綺麗だからかすんでしまうだけだ。
2人とも同じ学ランを着てるな。
じゃあここは学校なのか。
「聞いてますか?昌(まさ)都(と)っ」
綺麗な方がこっちに聞いてきてる?
「なあ、そのマサトっていうのが・・・名前?自分の?」
あれ、自分のことなんていってるんだ?
「まっまさかわからないの?僕たちのことも?」
「変な冗談やめて下さいよ。どうせ私たちに対するくだらないいたずらでしょう?」
いたずら?
「なに言ってるんですか?僕は本気でわからないんですっっ!!」
2人とも悶えだしたけど大丈夫かこの人たちっっ??
「僕って!!」
「昌都が敬語とかっ本当に本当ですかっっ!!」
「だからわからないって言ってるじゃないですかっっ」
なんで知らない人に怒られなきゃならないんだっ!
「ま、まず自分のことは俺って言って下さい。それから敬語はやめて下さい。私とキャラが被る、いえ、調子が狂いそうで気持ち悪いです。」
「遠慮気味で堂々としてない昌都君なんて怖いよっ」
「全くです。その顔で横暴じゃないなんて昌都じゃないですよ」
普通は気持ち悪いっていう方を訂正しようとするんじゃないのか?それにその言い方だと俺?が失礼なやつじゃないか。
まあわからないから何とも言えないんだけどな。
この2人は俺、大天(おおそら)昌(まさ)都(と)の幼なじみらしい。そして3人とも神輿(みこし)高校のミステリー研究会の部員ということでいきなり走り出した部長の俺を追いかけてきたら記憶を失っていたらしい。何があったんだ?
「そっちのじ、いや普通の顔の方を茂(しげ)で綺麗な顔の方を麗斗って呼べばいいんだな。」
「ふふっ昌都は私のことを美しすぎて親友だけど崇拝したくなるといつも言ってますよ。」
「麗斗君っいきなり嘘吹き込まないでっ」
「嘘じゃありませんよ?心の声が聞こえますよ。」
あ、こいつヤバいやつだ。
「それで、なんでこんなことになったんだ?ミステリー研究会だよな?ひょっとしてミステリアスな何かを追いかけて何かの拍子に頭でも打ったとか?」
考えられる要素として謎を見つけた俺が犯人に頭をガツンッと・・・・・いやいやいくらなんでもそんな事件みたいなことないだろ。
「その可能性はあります。私達と廊下を歩いてたらいきなり真剣な顔になって走りだしましたからね。」
「何か覚えてない?」
覚えてる事?
「オカ・・・オカルト同好会?」
あれ?俺達の部活はミステリー研究会だろ?なんで似たような部活?思い浮かんだ?
「いきなりそれですか。最低ですね。」
「覚えてること聞かれたから言っただけなのになんで文句言われるんだよっっ」
軽蔑した目で見るのやめてくれ!


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