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短編
サー2
「そうだ、プレゼントの説明してやる。後ろを見ろ」
「後ろ?」
おれは座っている座席の後ろを見ると白い大きな袋がある。
「その袋にはプレゼントが入ってるぜ」
そうだろうな。
「プレゼントはその家の上に行くと子供が欲しい物が出てくる仕組みになってる。間違えないようにネームプレートが付いてる。あ、プレートは外せよ。」
「へ―結構便利だな」
それにしても・・・世界中の子供のプレゼント入ってるんだよなぁ・・・・・。一晩で配れるか?
「そうだっ家の中にどーやって入るんだ?」
「煙突から入る!」
「待った!今の家って煙突なんてめったにないぞ!!」
いつの時代の事だよっっ。
「そうだな。そんなときは・・足元を見ろ」
今度は足か。お、プレゼントとは別に袋があるぞ。
「何これ」
「開けてみな」
中には何かのスプレーとか針金とか見慣れない物ばかりある。
「ま―・・・いわゆる・・泥棒御用達の道具だ。プロが使ってる物だから開けやすいぜ」
ど・・・ど・ど・・泥棒ぉぉぉぉぉぉ!!
「犯罪者と同レベルか――っっ!いやだぁぁぁぁぁっっ!!!」
「仕方ないだろっ文明の発達に対応していくためだっ」
何か違う!何か間違ってるだろっっ!!
「ほらっ最初のお仕事だ!とっとと置いてこいっ!」
おれはプレゼントを持って家に近付く。やっぱり煙突なんて見当たらない。
親父、お袋、犯罪者の仲間入りするおれを許して下さい。
仕方なく針金で鍵を開ける。
これがピッキングってやつか。ま―・・セキュリティ万全な家じゃなくて良かった。
真っ暗な家の中を音を立てずに歩く。
ここが子供部屋だな。
静かに入って、プレゼントが枕元に置く。
「ん―・・あれ・・誰?おかーさ・・っ」
シューーーッッ
ふー危ね――。とっさに睡眠スプレーをかけて眠らせたぜ。
急いで家を出て次の家に向かう。
じーちゃん・・・毎年こんな事やってたのかよ。なんか悲しいな―。
何件かこなしていくとさすがに慣れてきた。
「お前素質あるな」
「それってサンタクロースとしての?泥棒としての?」
「両方だな」
うれしくねぇ――。

「さてと、ここはおととしからサンタが苦労してる家だ。」


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