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短編
サンタクロースのお仕事
『サンタクロースのお仕事』

クリスマスの夜にはサンタクロースがプレゼントを届けてくれる。
こんな言い伝え、信じてる奴なんてほとんどいないだろうな。
ところが実在しちゃったりするんだよなぁ。
「ジェネス――悪いけど今年はお前が出かけてくれないか――」
「はぁ?」
おれに話しかけてきた白髪頭に白髭の人、おれのじーちゃん。
で、正真正銘の本物のサンタクロースです。
・・・なんだけど・三日前にぎっくり腰で動けなくなってしまったんだ。
「おれって・・親父は?」
「あいつは会社の残業だからだめだ」
そーいう現実突付けられると養われてる身としては辛いな・・。
「だってどーやってやるかわからねぇよ!」
「な―に簡単なこと。方法ならトナカイが全部教えてくれるさ。これが衣装、あとはシンボルの白髭。」
渡すものだけ渡してベットにもぐりこんでしまった。
「ちょっと待ってよ!おれまだ行くなんて言ってないだろ!!」
「ジェネス、あと30分しかないぞ!急げ!お前が行かなければ世界中の子供たちが哀しむぞ」
時間ぎりぎりに頼んでたのかよ!!
「ぎりぎりじゃなきゃ逃げるくせに」
「おれ行かない!!」
「仕方ない」
じーちゃんはため息をついたあと、口笛をふいた。
ピィィ―――
ダダダダダッ
何の音だ?
部屋のドアが乱暴に開けられて二本足で・・・・・トナカイが立っていた。
えっと・・たしかこいつはじーちゃんが乗るソリを引っ張ってる奴だよな?おれ・・夢でも見てるのか?
「おい兄ぃちゃん!お行儀悪ぃぜ!とっとと支度しなっっ!!」
「行儀悪いのそっちだろ!!ていうか喋るのかよ!二本足だし――っなんなんだよ!!」
「ぐだぐだうるせぇっ!!!」
「ジェネス、彼・・いや、ジャックが全て教えてくれるぞ。じゃ」
顔を出して言いたい事だけ言ってまたふとんにもぐった!
「じーちゃんちょっとっっ・・」
「面倒だ!乗ってから着替えやがれっ」
「いやだ―――っっ」
おれは無理矢理ソリに乗せられて空中にきてしまった。

脱・出・不・可・・。
「あんたサンタの孫のジェネスだったな。早速だけどプレゼントの届け方教えるぜ。」
こ―なったらやるしかないみたいだな・・。


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あきゅろす。
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