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全て終わった後に気づく(N)


「Nさま、Nさま」


「何だいなまえ」


最近Nさまは楽しそうだ。今も好きな観覧車に乗れて嬉しいのか、口が少しゆるんでいる。夕焼けに照らされた街と、観覧車と、ポケモンたちに囲まれて、Nさまはとても幸せそうだった。


「Nさまが幸せそうになさっていたのでなまえは嬉しいです」


そう伝えるとNさまは観覧車に向けていた瞳をわたしに向けた。灰色の瞳がしっかりとわたしを映す。観覧車がちょうどNさまの真後ろにあって、夕焼けに包まれた観覧車とNさまはとても神々しい。純粋なNさま。ポケモンたちのことで心を痛めたり喜んだり悩んだりできる御方。


「ボクが幸せそうだとなまえが嬉しいとはどういう意味だい?」


「えっと、わたしがNさまをお慕いしているのでそのNさまが幸せだとわたしも嬉しいし、幸せなんです」


そういうとNさまは視線を外して少し考える素振りを見せてからもう一度わたしをまっすぐ見た。


「じゃあボクもなまえが幸せなら幸せなんだ」


それが好きってことなんだろう?とNさまが微笑むのでわたしも嬉しくなって、はい!と元気よく返事をした。


「早くポケモンたちを人間から解放してみんな幸せになろう」


「はいNさま」




ボクの両手から零れ落ちる何かに気づかない
(ボクはチャンピオンを倒して英雄になる。そしてポケモンたちを解放する)(どこまでもついていきます)




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あきゅろす。
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