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溢れ出る愛しさをどうすれば良い(狼雲雀)
※狼くんとうさぎさんシリーズ




(この気持ちは何なんだろう)


花子はソファーに座って本を読む雲雀くんの足下にぺたりと座ってじっと雲雀くんを見上げていました。でも雲雀くんは本に夢中で花子を一向に見てくれません。寂しくなった花子は雲雀くんの片膝にゆっくりと顔を押し付けました。本に顔を向けたまま、雲雀くんはゆるりと笑みを浮かべて花子の頭を撫でました。


「んぅ…」


花子は嬉しくなってスリスリと顔をなすりつけます。頭を撫でていた雲雀くんの手は頬を撫でたり唇をなぞったりしてそれが素晴らしく心地良いものだと花子はうっとりしました。


「寂しいのかい?」


やっと本から目を離した雲雀くんと目が合いました。花子はロップイヤーをピンと立てて頭を横に振ります。


「じゃあ何だい?」


花子は頬を赤らめてへにゃりと笑いました。


「狼さんが好きーって気持ちが沢山でどうしようってなってました」


「…ワオ」


(どうしようはこっちの台詞だよ)


雲雀くんは本を横に投げて花子を軽々と膝上に抱き上げました。一瞬驚きながらも花子は本能の赴くまま雲雀くんに抱きつきます。


(何この可愛い生き物)


自分より少し高い体温と、柔らかい肢体に甘い匂い。それは雲雀くんの獰猛な部分を刺激するには十分でした。


「ひゃうっ…!?」


花子をソファーに押し倒して雲雀くんが牙を見せてニヤリと笑います。


(あ、また…)


花子は雲雀くんの目がいつも気持ち良いことをする時の目だと気づくと、これから起こる行為にドキドキと胸を高鳴らせました。


「いやらしい顔をしてる」


「や…っ」



雲雀くんの長い指が花子の頬を撫でます。自分が変な顔をしていてそれを大好きな狼さんに見られていると思った花子は恥ずかしくなって両手で顔を隠しました。それが雲雀くんの加虐心を煽るとも知らず、花子は小さい体をよじって抵抗します。


「花子…」


「…っ」


耳元で低く響く情欲を孕んだ声に花子の体はピクンと震えました。

「あついです…」


泣きそうな表情を浮かべて花子は雲雀くんにすがります。もうそこにはいつもの可愛らしいだけのうさぎさんはいません。


「もっと熱くしてあげる」


「ん…っ」


雲雀くんの指が花子の服を性急に乱して、露わになった肌に唇が落ちます。


(はずかしくてあつくてどうにかなっちゃいそう…)


なのにそれが嫌じゃない、それどころか求めている自分に花子は困惑していました。肌と肌を触れ合わせるこの行為は、気持ち良いだけでなく確かに花子の寂しさを埋めて行き場のない雲雀くんへの気持ちを昇華していってるようでした。


(ふれたところから大好きって伝わっていってるみたい)


「狼さん…」


「っ花子…」


何だかとても嬉しくなって花子は雲雀くんの頬に唇を寄せました。そんな花子に雲雀くんの理性は爆発寸前です。雲雀くんは早く花子のナカに入りたくて自身を取り出すとまだ濡れただけの割れ目にゆるくこすりつけました。いきなりの感触に花子は顔を真っ赤にさせて震えます。でも花子も早く雲雀くんが欲しくて仕方ありませんでした。


「力抜かないと痛いよ…」


「……っ」


プルプルと羞恥に身を固く震わせる花子に、雲雀くんは先端を浅く抜き差しします。突き入れたい気持ちを我慢して段々ほぐれてきた入り口にゆっくりと自身を埋め込んでいきます。指でほぐしてない分いつもよりキツい締めつけに雲雀くんは眉を寄せて息を吐きました。


「あ…っん」


「痛くないかい?」


全て入りきると決して広くないソファーの上で乱れる花子を雲雀くんは抱きしめました。


「気持ち良い、です…」


浅く速い呼吸、赤い頬に濡れた唇と瞳。快感からか震える小さな体はしっかり雲雀くんを受け入れていました。そんな花子を見て雲雀くんはどうしようもなく愛しい気持ちに駆られます。


「痛かったら爪立てて良いから」


「ふぇ?あっ…は!」


花子の膝裏を持ち上げて雲雀くんは思い切り腰を打ちつけました。いきなりの衝撃に花子の悲鳴は悲鳴にならず必死に息を吐き出す音になりました。それでも雲雀くんが言ったように痛いどころか、上手く息も出来ないくらい繋がった場所から激しい快感が走ります。花子の膣内が食いちぎるような圧迫から強く絡みつくような圧迫に変わって、雲雀くんも息が少し上がっていました。


「あぁ…っ狼さん…!ダメ、ダメ!」


激しい快感に花子は嫌々と体を捩らせて雲雀くんの胸板を押し返します。


「ダメ?よく言うね…っ」


抵抗する花子の体に体重かけ、手を絡めて動けないようにすると雲雀くんは律動をそのままに花子の胸に強く吸いつきます。まるでマーキングのように赤い印しをつけて雲雀くんは満足そうに微笑んでいました。


「っ出すよ」


「待っ…ひゃあぁっ!」


ビュクビュクと胎内を雲雀くんの精液が満たしていく感触に花子は今度こそ悲鳴を上げて達しました。あまりの気持ち良さにプルプル震えながらも何だかそんな自分がすごく恥ずかしくてグスグスと鼻を鳴らして顔を隠します。雲雀くんはそれがまるで花子がこの行為を嫌がっているようで気に入りません。


「嫌ならもっと本気で抵抗しなよ」


「…?嫌じゃない、です…。狼さんとこうするのすごく好き…」


「…!」


さっきまでの恥ずかしさはどこへやら、花子はスリスリと雲雀くんの胸に顔をこすりつけて甘えます。その姿の可愛らしいこと!雲雀くんは力まかせにめちゃくちゃにしたい衝動を必死で抑えこみました。


「狼さん、ナカ、まだあつい、です…」


「随分といやらしいうさぎだね」


甘いおねだりに雲雀くんが勿論応えない筈もなく、結局二度三度、花子が気絶するまで美味しくいただかれました。




(もっと触れて欲しい、食べて欲しいって思うの)(もっと触れたい、食らいつくしてやりたいと思う)
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あきゅろす。
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