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一氏ユウジ
一氏ユウジ
ある1人の少女は恋をしていました。
『おはよー、ユウジ!朝練お疲れ、今日も絶好調だったね!格好良かったよ!もう好き好き!!』
その少女の想い人である少年は、毎日愛の言葉を投げ掛けてくる少女を鬱陶しく思っていました。
「うっさいねん、自分!朝からやいやい騒ぐなや!ほんで毎度毎度同じ事しか言えんのか!」
『だって好きなんだもん!ううん、寧ろ愛してる!』
それでも少女は毎日毎日少年に愛の言葉を贈り続けたのです。
「あ?今日あいつ休みなん?」
「そうみたいやで。風邪引いてしもたんやて。」
そんな日々が続いていたある日、少女は風邪を拗らせて学校をお休みしてしまいました。
「…ふーん、ま、煩いのが居らんくて清々するわ!」
「そんなん言って〜、ユウ君寂しいんやない?」
「な!そんな事微塵も思っとらんて!」
何時もは鬱陶しいと感じていた少女の声が聞けない事に、少年は少し物足りなく思ったのです。
「は!?あいつ今日も休みなん?」
「もう3日目やで。流石に心配やわ〜」
「…あー…せや!財前に呼ばれてたんや!ちょっと行ってくるわ。」
「うふふ、行ってらっしゃーい。」
少女が学校をお休みしてから3日目。
素直になれない少年は周りから隠れる様に屋上に行き、無理矢理登録させられた少女の携帯番号を呼び出すと、2度深呼吸をしてから電話を掛けました。
『も゙しも゙し?』
「あー…俺や俺。」
『えっ!?ゆ、ユウジ!?わっ、わっ、ユウジから連絡してくれたの初めてだよね!?うれしっ…ゴホッ、ゴホッ』
「落ち着けアホ!その…体調はどうやねん?」
『まだ熱が少しあって、咳とか止まんないんだー。でも大分良くなったよ!』
「アホも風邪引くっちゅーのが分かった事やし、そんな風邪位さっさと治して学校来いや!……自分の騒がしい声聞かんと調子狂うやろ。」
『〜〜っ!!うん!!』
やはり素直になれない少年は、遠回しにお見舞いの言葉を贈ると直ぐに電話を切ってしまいました。
素直な少女と素直になれない少年
『おはよー、ユウジ!昨日はプロポーズ有り難う!』
「はぁぁあ!?」
「やんっ、ユウ君たらだ・い・た・ん!」
「俺が何時自分にプロポーズしたっちゅーねん!」
『え?昨日電話でお前の声が聞けないと生きていけないって言ったじゃん!つまりは一生一緒に居なきゃ駄目って事でしょ?』
「自分の都合の良い様に解釈すな!そんな言い方してへんやろ!一辺自分の頭がどうなってんのか調べさせろや!」
end.
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