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忍足侑士
忍足侑士
忍足侑士、ラブ〇ラスにハマる。
雲一つ無い快晴の下、真面目に部活に取り組んでいる部員の中に侑士の姿が無い事に気付いた私は、近くに居た岳人と日吉に声を掛けた。
『ねぇ、さっきから侑士の姿が見えないんだけど何処に居るか知ってる?』
向日「あぁ…侑士なら部室に居るけど…」
日吉「ずっとニヤニヤしていて気持ちが悪いんで何とかして下さい。」
『ニヤニヤ?…また美少女ゲームか…有り難う、ちょっと行って来る。』
向日「おう、頼んだぜ…」
げんなりした様子の岳人と眉間に皺を寄せていた日吉に別れを告げ、私は早速部室へと向かった。
『侑士!あんたはまた部活サボって何して…』
【侑士君って…呼んで良い?】
「あ〜、マ〇カたん可愛えぇ。侑士君やのうて侑たんでもええんやで?」
『…き、気持ち悪い…!』
侑士に文句を言おうと部室に乗り込んだ私の目に映ったのは携帯ゲームに向かってニタニタと頬を緩めまくりながら話し掛ける侑士の姿だった。
「ん?おぉ、何か用か?」
『何か用か?じゃないでしょ!部活サボって何してるのって聞いてんの!』
「ラブ〇ラスや!」
『そんな堂々と言うな!良いから部活に戻って!』
侑士の手を引いて部室から出そうと試みるが、動こうする気配が全く感じられない。
「そないな事言われてもなぁ。これリアルタイムで動くねんで?今はマ〇カたんと下校中やねん。もうちょい待って?」
『げ、下校なら私とだって…!』
「自分と帰ると必ず岳人やジローがくっ付いて来るやん。これは2人っきりで手繋いで帰れるんやで?時にはチューも出来たり…」
『チュ、チューって…!!』
侑士の衝撃的な発言に驚いていると、何やら熱く語り出した…
「それにな、名前で呼んでくれるだけやのうて、プレイヤーの好みに合わせて性格や髪型まで変えてくれんねんで?
今までこないなゲームはなかったんや!これは凄い事なんやで?
女の子は3人と他のギャルゲーに比べたら極端に少ないんやけど、学園のマドンナ的存在でお嬢様なマ〇カたんに、学校とバイト先の先輩でプレイヤーを甘やかしてくれるお姉さんの様なネ〇たん。そして、ロリフェイスなだけやなく、ツンデレ要素も含まれた後輩のリ〇コたん!
3人でも充分満足出来る萌えっ子達や!」
『…そんな熱く語られてもこっちはドン引き何ですが…』
「自分は俺のために性格や髪型まで変えてくれるか?」
『ゆ、侑士のお願いなら…私だってその子達に負けないんだから!』
「なんや、嫉妬してるんか?大丈夫やって、自分が一番やで」
『当然でしょ。…って、ゲームの中の子に張り合ってる自分が恥ずかしいし、比べられても嬉しくないっつーの!!』
END.
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