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仁王雅治・柳生比呂士
仁王雅治・柳生比呂士
俺達3人はいつだって一緒に居るのが当たり前で、これからもずっとそうだと思っとった。
『ねぇ、本屋寄って良いかな?ちょっと欲しい参考書があってさ』
「構いませんよ。私も丁度買いたい小説があったので」
「プリッ、本屋か…まぁええぜよ」
『ありがとう!』
アイツを見詰める目が俺と同じだった柳生。
そう、俺と柳生はいつも一緒に居るアイツを好きになっていた。
『お待たせー。欲しい参考書あったよ。あ、その小説私読んだよ。凄い面白かった!』
「おや、そうなんですか。今話題の小説で気になっていたんですよ。貴女とは趣味が合いますから、面白いのは確実ですね」
『うん!お薦めだよ』
「それでは買って来ますので、待っていて下さい」
『うん。…ねぇ、雅治は何か買った?』
「いや、なんも」
『そっか。付き合わせてごめんね?』
「別に平気じゃ。一々気にすんな」
『うん。ありがと』
俺はこうして3人で居られればそれで良いと珍しく甘い考えを持っとった。
それは柳生も同じだと思っとったんじゃ。
でも、その考えは全く違っていたぜよ。
『雅治、私、比呂士と付き合う事になったんだ』
「実は先日、恥ずかしながら私から告白をしまして、良い返事を頂けたんです」
違っていたのは、告げた勇気。
「そうか…良かったのう。じゃが、これから俺は1人になるんか」
『な、何言ってるの!これからも3人一緒だよ!』
「えぇ。そんな仁王君らしくない事言わないで下さい」
「ふっ、そうじゃの」
あの日から暫く経ったが、今も変わらず3人で過ごす事が多い。
アイツと柳生は付き合いだしても前と変わらず友達の様な関係に感じられた。
それでも、俺との間にはない、絆の様なものが確かにあの2人の間にはあった。
『あ、このストラップ可愛い!』
「確かに貴女が好きそうなデザインですね」
『ねぇ、丁度3種類あるしさ、お揃いで付けない?』
「勿論良いですよ」
「…あぁ」
アイツも柳生も大事。
じゃがそれは恋と友情の意味で。
2人の幸せを願うなら、アイツへの想いは諦めなければならないのは分かっちょる。
それでも、アイツへの想いは強くなるばかり。
あぁ、いつか諦められるその日が来るまで、まだ君を好きでいて良いですか?
END.
※この話は部分部分あるグループの歌の歌詞を参考に書かせて頂きました。
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