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ぼろぼろぼろぼろ。
ぼろぼろぼろぼろ。
何をそんなに泣く事があるの?
「ひば……っさん、は……もっと、自分をっ大事……するべき、ですっ」
「してるよ」
僕の傍らでひたすら涙を流す君の頭を撫で付ける。そうするといつも見せてくれる笑顔も、今は返ってこない。
「してません……っ」
何が悲しいの?何が辛いの?
困ったな、君の泣き顔は僕は苦手だ。
「いつも……ひと、りで……おれ……頼って、ほし……っ!」
そんなに泣いてたら聞き取れないよ。言いたい事があるなら先に泣き止んで。
頭に置いた手を目元に移動させて涙を拭い取るけれど、後から後から溢れて止まる気配はない。
「つなよし」
「……っ!」
仕方なく体を抱き寄せて全身で包み込めば、しゃくり上げる度揺れが伝わってきて、少し心配になった。
「綱吉、泣かないで」
「ず……ずるいですっひばりさん……」
「どうして?」
「おれ……怒ってる、のに」
怒ってたんだ。怒ってるのに泣くなんておかしな子だね。クスクス笑えばムッとした表情で強く名前を呼ばれて、驚いた。
「……早くケガ、治して、もっと強くぎゅってして下さい」
「……うん」
ごめんね、もう一度頭を撫でれば君はまた泣いた。
ぼろぼろぼろぼろ
ぼろぼろぼろぼろ
それは宝石の様に輝いて見えた。
*
任務中に大怪我をした雲雀さんと心配する綱吉のはなし。
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