SS
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だって、ヒバリさん、上手いんだもん。
もしかしてオレ以外の誰かと……なんて。考えてしまったオレが悪いのかな。
「ヒバリさんの馬鹿ー!」
なんて、叫んでつい飛び出して来てしまったけれど既にちょっと後悔してる。
だって不安で……本当はぎゅってして安心させて欲しかったのに。ヒバリさん、何にも言わないんだもん。
「オレはヒバリさんだけなのに」
仕方なく代わりに、間違えて持って帰ってしまったヒバリさんの学ランをぎゅっと握り締める。ヒバリさんの匂いが沢山して、うっかりさっきまでの行為が頭に浮かんだ。
「ぎゃーっ何考えてるのオレっ」
ブンブン頭を振って追い出そうとするけど消えてくれない。だって、気持ち良くて、嬉しくて、幸せで……。
なのに……なのに。
「ヒバリさんの馬鹿っ馬鹿っ馬鹿っヒバリさんの……」
「僕が何だって?」
「!!」
背後からの声に勢い良く振り返る。いつもと同じ様に窓から、だけどいつもより少し息を乱したヒバリさんがそこに居る。
「お、追い掛けて来てくれたんですか…?」
恐る恐る聞くとヒバリさんは、当たり前でしょ、と抱きしめてくれた。
「僕も、君だけなんだから」
「!……ヒバリさぁん」
それだけで嬉しくて嬉しくて、オレはまた、ヒバリさんを好きになれるんだ。
*
某サイト様ry
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