SS
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※若干グロい?表現があります。
虫の話です。
ちょっと?雲雀が可哀相で綱吉が酷いです。
ヒィ!…な方はお逃げ下さい。
へ、平気だぜコラ!って方はスクロール。
「ぎぃやぁぁ〜!?」
と、絶叫が聞こえて雲雀が応接室に戻ると、大人しく待っている様にと言い付けたはずの綱吉がカダガタブルブルしながらソファの上、背もたれとひじ掛けの交わる角に立ち体を反らせていた。
上履きでソファに立っている事に少し腹を立てながら何してるの、と短く問えばこちらを見もせずにゴゴゴ、と良く分からない返事をしてくる。
「咬み殺すよ綱吉」
「ヒィ!…ご、ご……Gが出たんですよ!」
「…何の事だか分からないんだけど」
「Gって言ったらGです!テカテカ黒光りしてカサカサ動いてあまつさえ飛んだりする名前を口にするのも恐ろしいアイツが!!」
本人と思えぬ様な形相でソレを語る綱吉。
あの、どんなに酷い敵であっても心からは憎めずともすれば慈悲までかけてしまう様なまるで菩薩の様な綱吉が……と雲雀が思っているかは兎も角、少なからずそんな綱吉に驚いてはいる様だった。
「…そんなに嫌いなの」
「嫌いです!大嫌い!」
涙目で叫ぶ綱吉にため息を一つついて、どこ、とGの居場所を聞く雲雀に、震える手でずっと視線を固定したままのデスクの方を指差す綱吉。
「嫌いな癖に目は逸らさないんだ」
「だって知らない内に移動してたらヤですもん!」
そういうものなのか、と心の中で首を傾げつつデスクへ向かうと、見える範囲にGが居ない事を確認してからガンッ!とデスクを一蹴り。綱吉がビクッとなったのとデスクの側面が凹んだのを気にも止めず慌てて飛び出してきたG目掛けて踏み付けるもすんででGが飛び立つ。しかし飛び立ったGを雲雀は躊躇わず鷲掴みした。全て1秒内の出来事である。
綱吉はグシャッというホラーな音を聞いた。
「これで良いかい?」
事もなげに手の中の物をごみ箱に落とし、雲雀は綱吉に近付く。
「…ひぎゃ!こっち来ないで下さい!」
茫然とその様子を見ていた綱吉だが、雲雀がソファまで戻って来るとそこから飛び下り、背もたれの向こう側へと距離を取った。そんな綱吉に雲雀は眉を寄せる。
「ちょっと、どういう事」
「し、始末してくれた事は感謝します!でででも始末したままの手を引っ提げて近付かないで!」
「……………」
酷い、と珍しく雲雀が思った。今この時理不尽なのは雲雀ではなく、綱吉だった。
「来ないで下さーい!!」
その後散々寄るな来るなと言われた為に仕方なく手を洗いに行き(綱吉が離れて立ち石鹸で洗っているか確認までした上で)ようやく側に寄る許可の出た(というより洗い終わったらすぐ自分から飛び付いてきた)綱吉を抱きしめながら、雲雀はもっと校内の掃除を徹底させなければと思った。
次の週、並森中学では掃除週間として一日二時間の掃除が実施されたのだった。
end*
虫嫌いな綱吉と男らし過ぎる雲雀(笑)
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